2026-01-01から1年間の記事一覧
米国のトランプ現象は、行き過ぎたリベラリズムへの反発とも言われています。アメリカを「後追い」している日本は、トランプ現象を単なる政権交代の話と解釈してしまうと、米国そして日本で起きている、根本的な問題を見過ごしてしまうと思います。今、話題…
『ムーミン谷の冬』で、登場キャラクターのトゥーティッキが語る言葉に 「ものごとって、みんなとてもあいまいなのよ。まさにそのことが私を安心させるんだけどもね」 というのがあります。NHK・Eテレの『ファンタジーに秘められた宗教』でも取り上げられた…
その本文が「世界は、成立している事柄の総体であるThe world is everything that is the case 」から「語りえないことについては、沈黙しなければならない Whereof one cannot speak, thereof one must be silent」までの『論理哲学論考』ですが、その最終…
20世紀最大の哲学書『論理哲学論考』は、その本文が「世界は、成立している事柄の総体であるThe world is everything that is the case 」から「語りえないことについては、沈黙しなければならない Whereof one cannot speak, thereof one must be silent」…
あなたが「言葉では説明できない」と感じる、大切なこと。それは誰かへの愛かもしれないし、あなた自身の信仰かもしれません。ケンブリッジで、ウィトゲンシュタイン自身が語った内容をご紹介します。 That which you feel “cannot be explained in words,” …
20世紀最大の哲学書『論理哲学論考』は、そのメインテーマである「言語の働きと限界」について理解しようとしても、なかなか難しい本です。しかし、その有名な結論「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」については、ウィトゲンシュタイン自身…
ウィトゲンシュタインが、新米の医師である友人が、自らの職業について悩んでいた時に送った手紙があります。誠意のこもった、とても感動的な内容なので紹介します。 There is a letter that Wittgenstein wrote to a friend who had just become a doctor a…
ウィトゲンシュタインは、強い宗教的感受性を持っていましたが、哲学を宗教にしませんでした。その宗教的態度が、彼の有名な言葉「語りえぬものには、沈黙しなければならない」という、宗教的なものを守るための「沈黙」の姿勢を支えましたが、哲学で「救済…
ノーマン・マルカムの『ウィトゲンシュタインと宗教』では、前期からガラリと変わった後期ウィトゲンシュタイン哲学の内容が簡潔にまとめられていますが、私がこれを読んで、さらに理解を深めるためにCopilotとやりとりした会話をご紹介します。現代哲学の新…
これまで、ウィトゲンシュタインと宗教の関係性を紹介してきましたが、前回の投稿の最後で、20世紀最大の哲学書といわれる彼の代表作「論理哲学論考」を放棄してしまったとお伝えしました。これは、彼の哲学への取り組み方、とくに自らの「倫理」を徹底する…
前期ウィトゲンシュタイン哲学の代表作『論理哲学論考』は、ハイデガーの『存在と時間』と並び称せられる、20世紀最大の哲学書です。ノーマン・マルカムの『ウィトゲンシュタインと宗教』では、難解と言われるその内容が簡潔にまとめられていますが、私がこ…
「世界がどのように存在するかが神秘なのではない。世界が存在するという、そのことが神秘なのである」と言ったウィトゲンシュタインは、哲学と神への信仰の関係をどのように考えていたのでしょうか?ノーマン・マルカムは、その著『ウィトゲンシュタインと宗…
ウィトゲンシュタインは、自分自身について「宗教的人間ではない」と言っています。しかし、彼の実際の言動から、この言葉を100パーセント信じることはできません。ノーマン・マルカムの『ウィトゲンシュタインと宗教』には、以下のような記述があります。 W…
「私は宗教的人間ではない。しかし私は,いかなる問題をも宗教的観点から見ないわけにはいかない」—このウィトゲンシュタインの言葉をきっかけに書かれた、ノーマン・マルカムの『ウィトゲンシュタインと宗教』をご紹介します。「世界がどのように存在するか…
哲学史の記念碑的名著『論理哲学論考』に、「世界がどのように存在するかが神秘なのではない。世界が存在するという、そのことが神秘なのである」と記したウィトゲンシュタインは、「神秘主義者」だったのか? —これは長く議論されてきたテーマですが、結論か…
AIと会話を続けていると、まるで一人の人間とやり取りしているかのように錯覚することがあるかもしれません。でも、その錯覚に嵌って抜けられなくなる前に、事実はどうなのか,良く考えてみる必要があるのではないでしょうか。現代哲学を切り拓き、AIの言語…
何でもAIが答えてくれる時代。だから。もはや「神秘」は存在しない? そんな疑問を、現代哲学を切り拓いた、ウィトゲンシュタイン初期哲学の核心を凝縮した次の言葉から考察します。 「世界がどのように存在するかが神秘なのではない。世界が存在するという、…
「戦前」の日本に関しては、賛否両論あると思いますが、重要なのは、GHQによって私たち日本人が、自らの歴史と伝統について、自ら学び、考え、価値判断を下す意欲と機会が剝奪されてしまったことではないかと思います。今回は復刻されたGHQ焚書の中の一冊を…
マッカーサーが読んで感動し、天皇制廃止の考えを改めて、昭和天皇との会見を決めた本、と言われている、小泉八雲著「神国日本」。その一方で、戦前の国家主義に濫用され、第二次世界大戦に突き進む後押しをした本としても知られています。現在、日本はアメ…
トルストイは、教会的・教条的キリスト教を否定し、イエスの言葉を倫理的・内面的真理として新しく読み直す姿勢を示しました。その著書『要約福音書』の冒頭に次の記述があります。 「真の生命は時間の外にあり、それは現在の中にのみある」 これは、これま…
鈴木大拙が、海外で外国人向けに「禅」について書いたものを彼自身が和訳した『禅学入門』の中に、これまで紹介してきたエックハルト・トールの『Stillness Speaks』と非常に通じる箇所を発見しました。「思考は便利だが、真理そのものではない」という共通…
「世界で最も精神的に影響力のある人物」エックハルト・トールは、その教えが普遍的かつシンプルで、それまでの「スピリチュアル」にありがちだった、難しさ、自分にはできそうもないという距離感がなく、誰にでも受け入れられ、実践できる内容になっていま…
前回の投稿では、エックハルト・トールの「The thinker is not who you are」という言葉を紹介しました。これで私が思い出すのは「I think, therefore I am(我思う、ゆえに我在り)」というデカルトの言葉です。この言葉から始まった近代合理主義は科学を生み…
2011年にワトキンス・レビューで「世界で最も精神的に影響力のある人物」に位置づけられたエックハルト・トールは、“The Power of Now”と“A New Earth”という二冊の大ベストセラーで、よく知られています。このブログでも過去に、この二冊について詳しく紹介…
あなたの心の中に「Stillness(静止)」はありますか? 心をかき乱すものだらけの世の中で、今、最も必要なもの「Stillness(静止)」は、宇宙を形作っている「大いなる存在(Great Being)」につながり、「本来のあなた」に戻るための大切な鍵と言えます。インド哲…
海外で「あなたの宗教は?」と訊かれたとき、「仏教徒(Buddhist)」と答える人はいても「神道信者(Shintoist)」と答える日本人は、ほとんどいません。それでも新年になったら初詣に行き、子どもが生まれたらお宮参りそして七五三、受験の際には合格祈願に神社…
第二次世界大戦で日本に勝利したアメリカは、「二度と日本がアメリカに反抗しないように」日本人の強さの源泉を根絶しようとしました。そのひとつが、いわゆる「GHQ焚書」と呼ばれるもので、日本人にとって大切な7000冊以上の書物が出版禁止にされたのです。…
「日本人」とは何か? 最近、私たち日本人がよく自問するようになったテーマです。いわゆる「失われた30年」は、戦後の経済成長を引っ張ってきた世代が現役を退き出し、戦後教育の弊害として、日本人としての自信や誇りを失っている世代が中心になったことで…
GHQが、日本人を「宗教」から切り離すために作成した憲法で、宗教教育を禁止したため、残念ながら私たち日本人の多くは、世界の常識である、宗教に関する基本的な知識を身につけていません。もちろん戦前の国家神道には問題がありましたが、精神的支柱を失い…
ベネズエラのマドゥロ大統領拉致に続き、またしても他国を思うがままに扱うアメリカ。これら一連の行動を、トランプ大統領個人の資質のせいにすると、重要なポイントを見落としてしまいます。アメリカの政治社会学の泰斗、シーモア・M・リプセットの名著「…