アメリカ大統領選は、激戦を制して、ドナルド・トランプ氏が大統領に選ばれました。
史上最低の中傷合戦と批判されたテレビ討論会において、トランプ氏の「口撃」に
対するヒラリー氏の反撃で、最も印象に残った言葉が、これです。
When they go low, we go high.
相手が低次元でも、それにレベルを合わせず、品位を高く保ちなさい。
もともとは、ミシェル・オバマ大統領夫人が、民主党全国大会でのスピーチで言った
言葉で、オバマ大統領が黒人であることから、様々な低次元の中傷を受け、それに
対して夫人が、オバマ家の子供たちに言い聞かせたモットーでした。シンプルで
ありながら、ヒラリー氏が、この言葉を引用した瞬間に、観客から大きな歓声が
あがったのも納得できる、素晴らしい英語表現だと思います。読売新聞では、
「相手が低俗な時もあなたは高尚に」と訳していましたが、いろいろな日本語が
あてはまると思います。私の訳は、母親が子供に言い聞かせているシーンをイメージ
したものですが、いかがでしょうか? それにしても、「高尚」「品位の高い」
クリントン陣営が、「低俗」「低次元」のトランプ側に負けたという、今回の結果は、
「綺麗ごとは言ってられないんだよ」というアメリカの現状と「本音」を反映している
のかもしれません。いろいろと考えさせられることの多い大統領選だったと思います。