「あなたの敵を愛しなさい」は、最も良く知られたイエスの言葉のひとつですが、
禅僧ティク・ナット・ハンは、仏教徒の立場から、この言葉の実践に関して、深い
見解を述べています。
Even if our enemy is cruel, even if he is crushing us, sowing terror and injustice,
we have to love him. This is the message of Jesus. But how can we love our enemy?
There is only one way-to understand him. We have to understand why he is that way,
how he has come to be like that, why he does not see things the way we do.
たとえ敵が残酷な仕打ちをしたり、私たちを虐げたり、恐怖や不正の種を蒔いた
としても、敵を愛さなければならない。これはイエスのメッセージです。しかし、
いったいどうしたら敵を愛することができるのでしょうか。たったひとつ方法が
あります。それは敵を理解するという方法です。私たちはなぜ彼がそうなのか、
どうしてそのようになったのか、なぜ私たちのような物事の見方ができないのかを、
その人の立場に立って理解しなければなりません。
Understanding a person brings us the power to love and accept him. And the moment
we love and accept him, he ceases to be our enemy. To “love our enemy” is impossible,
because the moment we love him, he is no longer our enemy.
人を理解することは、愛と受容の力を育てます。相手を受け入れ、慈しむとき、
敵としての他者は姿を消すのです。ですから、「敵を愛すること」は、事実上
ありえないことになります。愛の心で見つめたその瞬間に、相手はもう敵では
なくなるからです。
To love him, we must practice deep looking in order to understand him. If we do,
we accept him, we love him, and we also accept and love ourselves. As Buddhists
or Christians, we cannot question that understanding is the most important component
for transformation. If we talk to each other, if we organize a dialogue, it is because
we believe there is a possibility that we can understand the other person better.
When we understand another person, we understand ourselves better. And when
we understand ourselves better, we understand the other person better, too.
人を愛するためには、理解を深める練習をしなければなりません。理解が深まれば、
相手ばかりか、自分自身を受け入れ、慈しむことができるのです。仏教徒や
キリスト教徒にとって、自他の理解が最も大切な自己変容の要素であることに
疑いの余地はありません。私たちが話しあいや対話の場を持つのは、それによって、
いまよりももっと深くおたがい同士が理解しあえると信じているからです。他者の
理解は自己認識を深め、その深さは他者のよりよい理解へとつながってゆくのです。
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