本当の幸せになるためには、「怒りや敵意」を「慈しみ」に入れ替えることが
大切だと言います。慈しみは、人が生まれつき持っている能力で、あたたかい友情の
感覚、すべての生命が互いにつながっているという感覚。マインドフルネスとの
関係を、ベストセラー「8マインドフル・ステップ」からバイリンガルでご紹介
します。
Loving-friendliness radiates to the whole world the wish that all beings enjoy
a comfortable life with harmony, mutual appreciation, and appropriate abundance.
慈しみとは、「生きとし生けるものが調和し、互いに理解しあい、適度に豊かで、
楽に生きられるように」との願いを世界中に放つことです。
Though we all have the seed of loving-friendliness within us, we must make the effort
to cultivate it.
だれもがみんな、心に慈しみの種を持っています。私たちはその種を育てる努力を
しなければなりません。
When we are rigid, uptight, tense, anxious, full of worries and fears, our natural capacity
for loving-friendliness cannot flourish. To nurture the seed of loving-friendliness, we must
learn to relax.
心が硬くて、神経質で、緊張し、心配し、悩み、恐れでいっぱいになっているなら、
慈しみの自然な能力は花ひらくことがないでしょう。慈しみの種を育てるためには、
リラックスすることが必要なのです。
In a peaceful state of mind, such as we get from mindfulness meditation, we can forget
our past differences with others and forgive their faults, weaknesses, and offenses.
Then loving-friendliness naturally grows within us.
そこで、気づき(マインドフルネス)の実践をすると、心は穏やかになります。他人
とのいさかいを忘れることができますし、相手のあやまちや弱点、罪をゆるすことも
できます。それで、慈しみが自然に成長していくのです。
The loving-friendliness that we wish to cultivate is not love as we ordinarily understand it.
When you say you love so-and-so, what you conceive in your mind is generally
an emotion conditioned by the behavior or qualities of that person. Perhaps you admire
the person’s appearance, manner, ideas, voice, or attitude.
仏教が教えている「慈しみ」は、通常、一般的に理解されている「愛情」とは異なり
ます。私たちがだれかを愛しているという場合、それはたいがい相手の性格や
ふるまいを見聞きして感じた好意です。外見やしぐさ、考え、声、態度に惹かれて
いるのです。
Should these conditions change, or your tastes, whims, and fancies change,
what you call love might change as well.
でも、こうしたさまざまな条件は変化するものですし、自分の好みや関心、
気まぐれも変化します。愛と呼んでいるものも変化するのです。
In extreme cases, your love might even turn to hate. This love-hate duality pervades
all our ordinary feeling of affection. You love one person and hate another. Or you love
now and hate later. Or you love whenever you feel like it and hate whenever you feel
like it. Or you love when everything is smooth and rosy and hate when anything goes
wrong.
極端な場合、憎しみに変わることもあります。愛情には愛と憎しみがつきものなの
です。ある人を愛し、別の人を憎みます。いま愛しますが、あとで憎みます。愛したい
気分のとき愛しますが、憎みたい気分のときには憎みます。あらゆることが順調で
バラ色のときは愛しますが、悪いほうに向かったときには憎むのです。
If your love changes from time to time, place to place, and situation to situation
in this fashion, then what you call love is not the skillful thought of loving-friendliness.
It may be erotic lust, greed for material security, desire to feel loved, or some other form
of greed in disguise.
このように、愛情が時や場所、状況によって変わるなら、その愛は慈しみの善い思考
ではありません。性欲かもしれませんし、物質的な安定を求める欲かもしれません。
愛されたいという欲や、変装したさまざまな欲かもしれないのです。
True loving-friendliness has no ulterior motive. It never change into hate as
circumstances change. It never makes you angry if you do not get favors in return.
Loving-friendliness motivates you to behave kindly to all beings at all times and
to speak gently in their presence and in their absence.
一方、「真の慈しみ」には、裏がありません。状況が変わっても、憎しみに変わる
ことはないのです。見返りがなくても、怒ることはありません。すべての生命に
たいして常に思いやりをもって行動し、その人がいるときにも、いないときにも、
慈しみをもって話すのです。
When fully matured, your net of loving-friendliness embraces everything in the universe
without exception. It has no limitations, no boundaries. Your thought of loving-friendliness
includes not only all beings as they are at this moment but also your wish that all of
them, without any discrimination or favoritism, will be happy in the limitless future.
慈しみが成熟し、完成すると、宇宙のあらゆるものを受け入れることができる
でしょう。慈しみには限界も境界もありません。いかなる差別も偏愛もなく、
生きとし生けるものが、現在だけでなく、無限の将来にわたっても、幸せであるように
と願うのです。
Eight Mindful Steps to Happiness: Walking the Buddha's Path (English Edition)
- 作者: Henepola Gunaratana
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