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「ダライ・ラマ こころの育て方」その3。怒りや暴力性は人間の本性か?

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「人間の本性は基本的に優しく慈悲深いもの」というのが、ダライ・ラマの信念。
これに対して、ではなぜ戦争などの破滅的な争いごとを、人間は引き起こしてしまう
のか?「慈悲 (compassion) 」だけでなく、「怒り(anger)」もまた、人間の本性の
一部ではないのか?――この問いへのダライ・ラマの答えを、ベストセラー「ダライ・
ラマ こころの育て方 (The Art of Happiness) 」より、バイリンガルでご紹介します。

 

“It is still my firm conviction that human nature is essentially compassionate, gentle.
That is the predominant feature of human nature. Anger, violence, and aggression may
certainly arise, but I think it’s on a secondary or more superficial level, in a sense, they
arise when we are frustrated in our efforts to achieve love and affection. They are not
part of our most basic, underlying nature.”

「それでもなお、私は、人間の本性は本来慈悲深く優しいものである、と強く確信して
います。それは人間の本性における明らかな特徴なのです。怒りや暴力、攻撃性も
確かに心のなかに生じますが、私はそれらは二次的なレベル、もしくはうわべだけの
レベルで生じるものだと考えています。ある意味で、それは私たちが愛や思いやりの
心を達成したいと努力していて思い通りにいかなかった時に起こります。しかし、
そのような感情は私たちの最も基本的で根元的な本性ではないのです」

 

“So, although aggression can occur, I believe that these conflicts aren’t necessarily
because of human nature but rather a result of the human intellect――unbalanced
human intelligence, misuse of our intelligence, our imaginative faculty,”

「ですから、攻撃的な気持ちは生じるでしょうが、こうした葛藤は人間の本性から
必然的に生じるのではなく、人間の能力から、つまり均衡のとれていない人間の知性
とか、知性の誤用とか、想像するという能力などから生じるものであって、無用のもの
なのです」

 

“Now in looking at human evolution, I think that compared to some other animals’,
our physical body may have been very weak. But because of the development of human
intelligence, we were able to use many instruments and discover many methods to
conquer adverse environmental conditions. As human society and environmental
conditions gradually became more complex, this required a greater and greater role of
our intelligence and cognitive ability to meet the ever-increasing demands of this
complex environment.”

「人間の進化を動物たちのものと比べた場合、私たちの肉体はとても弱いものでした。
しかし、知能の発達のおかげで、私たちは多くの道具を使い、不都合な環境条件を克服
するたくさんの方法を発見しました。人間社会と環境条件がより複雑になってくると、
複雑化した環境がこれまでにない要求を示すようになり、人間の知性とものごとを認知
する能力にこれに見合うだけの大きな役割が課されるようになります」

 

“So, I believe that our underlying or fundamental nature is gentleness, and intelligence is
a later development. And I think that if that human ability, that human intelligence,
develops in an unbalanced way, without being properly counterbalanced with
compassion, then it can become destructive. It can lead to disaster.”

「ですから私は、人間の基礎をなすまたは根元的な本性は優しさであって、知性は
あとから発達したものだと思うのです。そこで、もし人間の能力や人間の知性が、慈悲
をともなった適切なバランスを欠いた不安定な方法で発達したなら、破滅的になる
可能性も出てくるのではないかと思います。大災害を招くこともありうるのです」

 

“But, I think it’s important to recognize that if human conflicts are created by misuse of
human intelligence, we can also utilize our intelligence to find ways and means to
overcome these conflicts. When human intelligence and human goodness or affection
are used together, all human actions become constructive. When we combine a warm
heart with knowledge and education, we can learn to respect other’s views and other’s
rights. This becomes the basis of a spirit of reconciliation that can be used to overcome
aggression and resolve our conflicts.”

「しかし、もし人間の争いが知性の誤用によってつくりだされるのならば、私たちは
これらの争いを克服する方法や手段を見つけるために、知性を使うこともまた可能だと
いうことを認識することは重要です。人間が知性と、善良さや思いやりの心を合わせて
使えば、すべての行動は建設的なものになります。私たちが温かい心を知識や教育と
結び合わせた時こそ、他の人の意見や権利を尊重することを学ぶことができるのです。
このことは、攻撃性を克服し、争いを解決するための調和ある精神の基礎となります」

 

“No matter how much violence or how many bad things we have to go through, I believe
that the ultimate solution to our conflicts, both internal and external, lies in returning to
our basic or underlying human nature, which is gentle and compassionate,”

「そのために、私たちがどれほどの暴力や悪行に耐えねばならないとしても、内面的な
争いであれ外面的な争いであれ、私たちの争いについての究極の解決方法は、私たちの
根源となっている優しく慈悲深い本性にたち戻ることにあるのだと、私は信じて
います」

 

いかがでしたか?このダライ・ラマの信念に、実は、近年の科学研究の成果が近づいて
きていると言います。その中でも有名なのが、1986年に発表された「暴力に関する
セビリア声明 (The 1986 Seville Statement on Violence)」で、世界中のすぐれた科学者
二十人が文書を作成し署名したものです。以下、ご紹介します。

 

In that statement, they of course acknowledge that violent behavior does occur, but they
categorically stated that it is scientifically incorrect to say that we have an inherited
tendency to make war or act violently. That behavior is not genetically programmed into
human nature.

彼らはその声明のなかで暴力的行為の発生はむろん認めているものの、私たちが戦争を
起こしたり暴力的に行動するような遺伝的傾向をもっているというのは科学的に誤りで
あり、そのような行動は人間の本性には遺伝的に組み込まれているものではない、
と断定した。

 

The Art of Happiness - 10th Anniversary Edition (English Edition)

The Art of Happiness - 10th Anniversary Edition (English Edition)

 

  

ダライ・ラマ こころの育て方

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