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「ダライ・ラマ 幸福論」その11。苦しみに勇気をもって立ち向かうためのヒント。

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悟りを得たブッダが最初に説いた教えは、「人生における苦しみ」についてだったと
言います。そして、ダライ・ラマが繰り返し述べているのは、私たち人間に共通して
いるのは、「幸せを求め、苦しみを避けたい」という思いだということ。苦しみに悩む
世界中の人びとに寄り添いたいと願う、ダライ・ラマが解説する「苦しみへの対処法」
――バイリンガルでお届けします。

 

If the prospect of confronting our suffering head-on can sometimes seem a bit daunting,
it is very helpful to remember that nothing within the realm of what we commonly
experience is permanent. All phenomena are subject to change and decay.

苦しみに正面から立ち向かう勇気がもてそうにないと思ったときには、ぜひ次のことを
思い出してください。わたしたちが経験するものごとで、永遠に続くものはまず
ありません。すべてのものごとは、変化し、朽ちていく運命にあります。

 

Also, as the description of reality I gave earlier suggests, we are mistaken if we ever
suppose that our experience of suffering――or happiness, for that matter――can be
attributed to a single source. According to the theory of dependent origination, everything
that arises does so within the context of innumerable causes and conditions.

また、前に現実の本質を説明したときに触れたとおり、今の自分の苦しみが――これは
幸せでも同じですが――たったひとつの原因によるものだと考えているなら、それは
誤りです。しかるべき起因という考え方からすれば、すべてのものごとは、無数の条件
と結果のなかから生まれてくるのです。

 

If this was not so, as soon as we came into contact with something that we considered
good, automatically we would become happy; whenever we came into contact with
something we considered bad, automatically we would become sad. The causes of joy
and sorrow would be easy to identify and life would be very simple. We would have good
reason to become attached to one sort of person or thing or event and to be angry with
and want to avoid others. But that is not reality.

そうでないなら、わたしたちは自分が好ましいとみなすものに出会えば、すぐさま
幸せになれるでしょう。好ましくないとみなすものに出会えば、即座に悲しくなる
でしょう。喜びや悲しみの原因がそんなに突きとめやすいものであるなら、人生は
この上なく単純です。ある種の人間やものごとだけを迎え入れ、それ以外には怒るなり
避けるなりすればいいでしょう。しかし、現実はそんなものではありません。

 

Personally, I find enormously helpful the advice given about suffering by the great Indian
scholar-saint, Shantideva. It is essential, he said, that when we face difficulties of
whatever sort we do not let them paralyze us.

わたし個人としては、インドの偉大な学者、シャンティデ―ヴァの残した、苦しみに
ついての教えがたいへん役に立っています。彼が言うには、どんなに苦難にあったとき
にも、とにかく無気力にならないことが肝心なのだそうです。

 

If we do, we are in danger of being totally overwhelmed by them. Instead, using our
critical faculties, we should examine the nature of the problem itself. If we find that there
exists the possibility we could solve it by some means or other, there is no need for
anxiety. The rational thing would then be to devote all one’s energy to finding that means
and acting on it.

無気力になると、もはや苦難に押しつぶされるしかなくなります。それよりも、
わたしたち人間には批判能力があるのですから、それを使って問題そのものの本質を
見きわめるべきです。なんらかの手段で問題を解決できるかもしれないとわかったら、
もう心配する必要はなくなります。あとは全力を挙げてその手段を見つけ、それを実行
に移せばいいのです。

 

If, on the other hand, we find that the nature of the problem admits to no solution, there is
no point worrying about it. If nothing can change the situation, worrying only makes it
worse.

問題の本質を見きわめた上で、いっさい解決の余地がないとなったなら、それはそれで
もう心配しても意味がありません。どう転んでも状況が変わらないのであれば、心配
するだけ損になります。

 

Taken out of context of the philosophical text in which it appears as the culmination of
a complex series of reflections, Shantideva’s approach may sound somewhat simplistic.
But its vert beauty lies in this quality of simplicity. And no one could argue with its sheer
common sense.

こうしてみると、シャンティデ―ヴァの哲学書は最高に複雑な思想の集成だとされて
いるにもかかわらず、ずいぶん単純にすぎるのではないかと思われるかもしれません。
しかし彼の思想の美しさは、その単純さのなかにこそあるのです。そもそも彼の言って
いることはまったく常識的ではありませんか。

 

As to the possibility that suffering has some actual purpose, we will not go into that here.
But to the extent that our experience of suffering reminds us of what all others also
endure, it serves as a powerful injunction to practice compassion and refrain from
causing others pain. And to the extent that suffering awakens our empathy and causes
us to connect with others, it can serve as the basis of compassion and love.

苦しみに、実際になんらかの意図があるのかどうか、それはここで追求する問題では
ないでしょう。ただ、これだけは言えるかと思います。苦しみを経験することで、他の
人もみな苦しみに耐えているのだと思い出せるのなら、苦しみはわたしたちに思いやり
を起こさせ、他人を傷つけまいとさせる強力な動機になっているのです。また、苦しみ
によって感情移入の能力が呼び起こされ、他人との一体感をもてるようになるのなら、
苦しみは思いやりや愛の基盤ともなっているのです。

 

    

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