「The Power of Now」は、「悟り」に関して、なるべく宗教色の薄い(ニュートラルな)
用語を使って書かれた、世界的ベストセラー。「普遍的な魂の教え、あらゆる宗教の
エッセンスを統合し、現代向けに書き改めた書」だと言います。正直言って、日本語版
のタイトルには、かなり違和感を覚えますが、原書は「悟り」に興味がある人にとって
必読だと思います。まずは、第1章の内容からお届けします。バイリンガルで、
どうぞ。
“The Power of Now” is the world bestseller that is written about “enlightenment” using
terminology that is as neutral as possible. The author says that this book can be seen as
a restatement for our time of that one timeless spiritual teaching, the essence of all
religions. Honestly speaking, the Japanese title of this book makes me feel pretty
uncomfortable. However, I regard the English one as a must-read for those who are
interested in “enlightenment.” At first, I bring to you, both in English and in Japanese,
the content of Chapter One.
The word enlightenment conjures up the idea of some superhuman accomplishment,
and the ego likes to keep it that way, but it is simply your natural state felt oneness with
Being. It is a state of connectedness with something immeasurable and indestructible,
something that, almost paradoxically, is essentially you and yet is much greater than you.
「さとり」という言葉を聞くと、わたしたちは、「聖人君子のみが達することのできる
超人的な心境」だとか、「自分のような凡人には縁のないものだ」といった先入観を
抱いてしまいがちです。しかも、あなたのエゴ(自我)も、あなたがそう解釈することを
望んでいるのです。しかし、真実は違います。「大いなる存在とひとつであること」
そして「この状態を保つこと」こそが「さとり」なのです。一見すると矛盾している
ようですが、「大いなる存在」は、本質的に「あなた自身」であると同時に、「あなた
よりもはるかに偉大な存在」なのです。
It is finding your true nature beyond name and form. The inability to feel this
connectedness gives rise to the illusion of separation, from yourself and from the world
around you. You then perceive yourself, consciously or unconsciously, as an isolated
fragment. Fear arises, and conflict within and without becomes the norm.
それはあなたという人間の名前や外見を超えた、「ほんとうの自分」を見つけだすこと
である、とも言えるでしょう。この一体感を感じることができないと、「自分を
とりまく世界から、自分は切り離されている」という、幻想がはじまります。そして、
自分が、ぽつんと孤立した、ちっぽけなかけらのような存在にすぎないかのような、
錯覚におちいります。すると不安が頭をもたげるようになり、周囲との不和や心の悩み
が日常茶飯事になってしまうのです。
I love the Buddha’s simple definition of enlightenment as “the end of suffering.” There is
nothing superhuman in that, is there?
わたしは、ブッダによる、たいへん簡潔な「さとり」の定義が気に入っています。
それは、「さとりとは、苦しみの終わりである」というものです。この定義ならば、
超人的な感じがしないと思いませんか?
Of course, as a definition, it is incomplete. It only tells what enlightenment is not; no
suffering. But what’s left when there is no more suffering?
ただし、これは定義としては不完全です。なぜなら、「さとりでないもの」について
語っているにすぎないからです。それでは、「苦しみ」が取りのぞかれたあとに、
なにが残るのでしょうか?
The Buddha is silent on that, and his silence implies that you’ll have to find out for
yourself. He uses a negative definition so that the mind cannot make it into something to
believe in or a into a superhuman accomplishment, a goal that is impossible for you to
attain.
ブッダは、これについて、沈黙しています。ブッダの沈黙は「さとりの正体は、自分で
見つけだすべきですよ!」というメッセッージを、含んでいるのでしょう。わたしたちが
「さとり」のことを、「凡人では到達できないゴールなのだ」と思いこんでしまわない
ように、わざと、定義を未完成なままにしておいたのです。
Despite the precaution, the majority of Buddhists still believe that enlightenment is for the
Buddha, not for them, at least not in this lifetime.
しかし、ブッダのこうした配慮もむなしく、多くの仏教徒は「さとり」とはブッダの
ためのものであり、「自分たちには畏(おそ)れおおいものだ」と感じています。
少なくとも「あの世」にいくまでは、「さとる」ことなど無理だと考えてしまっている
のです。
The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment (English Edition)
- 作者: Eckhart Tolle
- 出版社/メーカー: New World Library
- 発売日: 2010/10/06
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: エックハルト・トール,Eckhart Tolle,あさりみちこ,飯田史彦
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2002/06/01
- メディア: 単行本
- 購入: 17人 クリック: 120回
- この商品を含むブログ (21件) を見る
The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment
- 作者: Eckhart Tolle
- 出版社/メーカー: New World Library
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
■プライバシー・ポリシー
当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得
できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、
Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。このプログラムにおいて、
第三者がコンテンツおよび宣伝を提供し、ユーザーからの情報を収集し、訪問者の
ブラウザーにクッキーを設定することがあります。プログラムにおいて情報の
扱いについてはAmazon.co.jpプライバシー規約をご確認ください。
Amazon.co.jp ヘルプ: Amazon.co.jp プライバシー規約