しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

「西洋の欲望 仏教の希望」その9。仏教の気づきは、母なる地球と私たち人間の亀裂を修復できるか? “Money Sex War Karma” No.9――Can a Buddhist realization repair the rupture between us and mother earth ?

 

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日本の禅を会得し、仏教が現代社会においてどのような意味を持つか、刺激的な著作を
発表し続けている、ディヴィッド・ロイ。私たち人類にとって待ったなしの地球環境
問題に対して、仏教ができることを解説しています――バイリンガルで、どうぞ。

David R. Loy has mastered Japanese Zen Buddhism and been publishing provocative
books about the meanings of Buddhism in modern society. He gives us commentaries on
what the Buddhist teachings can do with environmental issues which are urgent for
humanity――more to come both in English and in Japanese.

 

 

 

The goal of the Buddhist path is wisdom in service of personal and social transformation.
This, however, is quite different from the sort of rational self-reformation that Greek
thinkers sought. When we meditate, for example, we are not transforming ourselves. We
are being transformed.

仏道のゴールは、個人・社会変革における智慧の作用である。しかし、これはギリシャ
の思想家が探し求めていた合理的自己変革とはまったく異なるものである。例えば、
瞑想をする時、私たちは自身を変容させていない。つまり、私たちが変容させられて
いるのである。

 

 

Quiet, focused concentration enables something else to work in us and through us,
something other than one’s usual ego-self. This opens us up and liberates a deeper
grounding within ourselves. Our lack of self (anatta) is what enables this process.

いつも感じる「自我」ではなく、私たちの中で作用できる「何か別のもの」に静かに
集中してみよう。これにより、私たちは解放され、自身の中において深い基盤が
見い出される。私たちの「自我」の欠如(「無我(anatta)」)というものはこのプロセスを
可能とさせるものでもあるのだ。

 

 

This “something else” frees us from the compulsion to secure ourselves within the world.
We do not need to become more real by becoming wealthy, or famous, or powerful, or
beautiful.

この「何か別のもの」は、私たちをこの世界に閉じ込める強制力から私たちを自由に
してくれる。私たちは富豪、著名人、権力者、美人になることで「リアル」になろうと
する必要はないのである。

 

 

This is not because we identify with some other spiritual reality apart from the world.
Rather, we are able to realize our nonduality with the world because we are freed from
such fixations.

これは、私たちが世間からかけ離れたスピリチュアルな現実を認識しているから言って
いるのではない。むしろ、これは私たちはそのような固執概念から解放されており、
私たち自身と世界の関係性は一元性であるということを理解できるから言えること
なのだ。

 

 

How does that affect the meaning of one’s life? Although living beings are numberless,
the bodhisattva vows to save them all. He or she assumes the grandest possible role, on
a path that can never come to an end. Although such a commitment is not compulsory, it
follows naturally from realizing that none of those beings is separate from oneself.

では、これはどのように人生に作用するのであろうか。生きとし生けるものは数え切れ
ないが、菩薩の願いはすべての生きとし生けるものを救うことである。つまり、終わる
ことのない道とも言える偉大な使命を自身に課しているのだ。この使命は強制では
ないが、それはごく自然に自身と他者に区別はないという気づきから生まれているので
ある。

 

 

So we conclude with one final parallel between the personal and the collective. We
discover the meaning we seek in the ongoing, long-term task of repairing the rupture
between us and mother earth, our natural ground. That healing will transform us as much
as the biosphere.

よって、個人と集合体という一つのパラレルに結論を出せる。私たち自身と母なる地球との亀裂を修復する長期間の作業の中で、私たちが探している意味を発見することになるだろう。この亀裂の回復は、生物圏と同様に私たちをも変容させてくれるはずだ。

 

                                      

Money, Sex, War, Karma

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西洋の欲望 仏教の希望

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Money, Sex, War, Karma: Notes for a Buddhist Revolution

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