しあわせになる英語 English for Happiness

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「シュライアマハー:宗教について」。その5。なぜ人は誰かを愛したいと思うのか?”Schleiermacher: On Religion” No.5――What makes a person want to love someone?

 

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「アフター・コロナ(コロナ以後)」と言われるほど、今までの価値観の変革を
求められる今。何か知性を超えたものを信じたい気持ちを、多くの人が抱いている
のではないでしょうか?「近代神学の父」と呼ばれるフリードリヒ・シュライアマハー
が、なぜ人は誰かを愛したいと思うのか、人間性と、愛と、宇宙について語りながら
解説――バイリンガルで、どうぞ (日本語版はドイツ語初版からの翻訳なので、英語版
との間に多少の違いがあることをご了承下さい)。

Now is the time even entitled “After Corona,” which is asking for the transformation of
our past values. Many people might feel pulled toward a belief in something beyond
intellect. Friedrich Schleiermacher, who is called “Father of Modern Liberal Theology,”
gives us commentaries on what makes a person want to love someone, while talking
about humanity, love, and the universe――more to come both in English and in
Japanese (I hope you will understand that there are some differences between the
English version and the Japanese one because the Japanese one is translated from the
first German edition).

 

 

 

But what are love and resistance? What are individuality and oneness? Did you get these
concepts, by mean of which nature first actually becomes for you an intuition of the
world, from nature?

さて、愛とは、そして逆らうものとは何でしょうか? 個性とは、そして統一とは
何でしょうか。それを通して、みなさんが自然をはじめて本来的な意味で、宇宙の直観
となるようにしたこれらの概念を、みなさんは自然から得たのでしょうか。

 

 

Do they not derive originally from the interior of the mind, and are they not first directed
from there to nature? Therefore, it is also the mind to which religion actually looks and
from which it takes intuition of the world; the universe is portrayed in the inner life, and
only through the internal is the external comprehensible.

そうではないでしょう。このような概念は、根源的には心情の中から出てきて、それを
通してはじめて自然を明らかに示すのではないでしょうか。それ故に、心情が本来宗教
が目指すものであり、そこから世界の直観を受け取るのです。この内的生の中に、宇宙
が模写されており、この内的なものを通してこそ、はじめて外的なものも理解すること
ができるのです。

 

 

In order to intuit the world and to have religion, man must first have found humanity,
and he finds it only in love and through love. This is why humanity and religion are
deeply and indissolubly connected, longing for religion is what helps him to the
enjoyment of religion.

人間は、世界を直観し、宗教を所有するためには、まず人間性を見出さなければ
ならないのですし、この人間性はただ愛を通して愛の中に見出されるのです。それ故に
人間性と宗教は密接に、分離し難く結び付いているのです。宗教に対する憧れが、
私たち人間が宗教を享受することを助けるのです。

 

 

Each person embraces most ardently the one in whom the world is reflected most clearly
and purely; each loves most tenderly the one in whom he believes he finds everything
brought together that he himself lacks for the completion of humanity. Therefore, let us
repair to humanity, that we may find the material for religion.

その人の中で世界がもっとも明瞭に、そして純粋に写し出されているような人を、
誰でも熱烈に抱擁したいと思うものです。その人の中に、この私には欠落しているのだ
けれども、人間性を形成するために必要な全てのものを凝縮した仕方で持っているよう
に思われる人を、誰でももっとも思いやりのあるmay心をもって愛したいと感じるもの
です。ですから私たちは人間性の中へと入って行こうではないですか。そして私たちは
そこでこそ宗教の素材を見出すのです。

 

 

Here even you are in your most proper and beloved homeland. Your innermost life opens
up in you. You see before yourselves the goal of all your striving and action, and
simultaneously feel the inner drive of your powers, which constantly leads you toward
that goal.

ここにこそ、みなさんのもっとも本来的な、そして最愛の故郷があるのです。ここに
こそ、みなさんのもっとも内的な生命が現れ出るのです。そしてみなさんは、ここに
こそ、あらゆる努力と行為の目標を見出し、そして、ここでこそ、みなさんがこの目標
に向かって行くみなさんの力の内的な衝動を感じとるのです。

 

 

Humanity itself is actually the universe for you, and you count everything else a part of
this only to the extent that it comes into connection with humanity or surrounds it.

人間性それ自体こそが、みなさんにとっては元来宇宙なのです。その他のものは、ただ
この人間性と関連付けられたり、人間性を取り巻くものである限りにおいて宇宙なの
です。

 

 

I do not wish to lead you beyond this point of view; but it has often pained me deeply
that, with all your love for humanity and all your zeal for it, you are nevertheless always
embroiled and at odds with it.

私はみなさんをこういう視点を超えるところにまで連れて行こうなどとは思って
いません。しかし私がしばしば心を痛めることがあるのです。それはみなさんが人間性
を愛し、それに対してあらゆる熱情を持っているにもかかわらず、いつでもそれを批判
し、それとはひとつになれないということなのです。

 

 

You labor to improve and educate it, each of you in his own manner, and in the end you
disgruntledly leave behind whatever fails to produce the desired result.

みなさんは、それぞれ自分なりの方法で、人間性を改善したり、また形成したりしよう
と苦労しているのに、結局はどのような目標にも達することがないので、いやになって
放棄してしまうのでしょう。

 

 

I may say, this also comes from your lack of religion. You wish to have an effect on
humanity, and you look at individual person. These displease you greatly; and among the
thousand causes of your displeasure this is without doubt the most beautiful and one
that belongs to the better among you: that in your own way you are entirely too moral.
You take people individually, and thus you also have an ideal of an individual to which,
however, they do not correspond.

しかし私はここでみなさんに対してこう言っても間違いではないと思っているのです。
そうなってしまうのも、みなさんに宗教が欠けているからではないでしょうか。
みなさんは人間性に働きかけようとして、人間を個別に見ています。しかしこの個々の
人間を、みなさんは大変に気に入らない (と感じているのです)。このようになって
しまうことの何千もの原因の中で、もっとも納得できる理由というのは、その際の
みなさんの方法があまりにも道徳的過ぎるということです。みなさんは人間を個別的に
取り上げます。その際みなさんは人間についての理想を持っているのです。しかし人間
はその理想には対応していないのです。

 

 

All of this together is a wrong beginning, and you will find yourselves far better off with
religion.

なぜこのようなことが起こるのかと言えば、要するにみなさんのやり方が逆さまなの
です。しかしみなさんがその時に宗教を持っていたならば、それはもっとよいものに
なっていたでしょう。

 

 

If you would only attempt to interchange the objects of your action and intuition! Act on
the individuals, but with your contemplation rise higher on the wings of religion to
an infinite, undivided humanity.

ですからみなさんにお願いしたいのです。どうかみなさんの活動と直観の対象とを
取り替えてみてください。つまり個々人に働きかけるために、みなさんの観察を用いて
ください。そして無限で分割できない人間性の高みへと心を高くあげるために、宗教の
翼に乗ってみてください。

 

 

Seek it in every individual, look upon the existence of each as a revelation of it to you,
and there can remain no trace of all that now oppresses you.

そしてみなさん、ぜひ個々の人間の中に人間性を探してみてください。そして個々の
存在が、人間性が個々の人間に啓示したものとして見なすことができるようになれば、
今みなさんを抑圧している思考上の苦しみは跡形なく消えてしまうでしょう。

 

 

I too, know how to pride myself on a moral disposition, I also know how to value human
excellence, and, considered by themselves, common things can almost overwhelm me
with the unpleasant feeling of disdain; but religion gives me an exceedingly great and
splendid view of all.

私は少なくとも私が道徳的な意識を持っていることを誇りにしていますし、人間的
卓越性は尊重すべきだということを十分に理解しています。また凡庸なものをそれ自体
だけで観察すると、不快な侮蔑の感覚に満たされるということもあり得ることです。
しかし宗教こそが、私に、人間性に関するあらゆることの偉大さ、高貴さという観点を
与えてくれるのです。

 

 

 

 

 

 

近代神学の誕生: シュライアマハー『宗教について』を読む

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