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「ダライ・ラマ、イエスを語る」。その24。日本の仏教など大乗仏教で忘れてはならない「菩薩の理想」とは? “Dalai Lama: The Good Heart” No.24―What is “the bodhisattva ideal” in Mahayana Buddhism such as Japanese one that we should not forget?

 

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ダライ・ラマの通訳、トゥプテン・ジンパ氏が、仏教徒である日本人が忘れては
ならない「菩薩の理想」について解説しています――バイリンガルで、どうぞ。

Thupten Jinpa, Dalai Lama’s translator, gives us commentaries on “the bodhisattva ideal”
that Japanese Buddhists should not forget ――more to come both in English and in
Japanese.

 

 

 

A bodhisattva, literally meaning “one with a heroic aspiration toward enlightenment,” is
an altruistic being with tremendous courage. Bodhisattvas are those individuals who,
though capable of personal liberation, choose to take upon their shoulders the task of
freeing others from suffering.

菩薩とは、もともとは「覚醒への大いなる志を抱く者」といった意味の言葉ですが、
信じられないほどの勇気を持って利他の実践をおこなう者のことをさします。菩薩は、
自分個人が解脱することも可能なのに、それを後回しにして、他人を苦しみから
解放するという大仕事を、みずからに課すことを選択した人たちです。

 

 

The compassion of such a being is boundless and transcends all considerations of
division. The bodhisattva is a friend, a servant, and a spiritual kin to all beings regardless
of personal acquaintance.

このような人々の慈悲の心には限界がなく、そこには区別の意識などはみじんも存在
しません。菩薩は友であり、僕(しもべ)であり、相手のことを知っていようが
いなかろうが、区別なくすべての生き物に親しい、霊的な親族のような存在なのです。

 

 

The depth of a bodhisattva’s heartfelt compassion is expressed through various media,
including the visual arts. In Tibetan culture, perhaps the most famous depiction of this
infinite compassion can be found in the legend of Thousand-Armed Chenrezig, the
Bodhisattva of Compassion.

菩薩の抱いている心底からの慈悲の深さは、芸術をはじめとするさまざまな方法で表現
されています。この無際限の慈悲の心をあらわすものとして、チベット文化でもっとも
有名なものは、慈悲の菩薩である「千手観音菩薩」の伝説であろうと思います。

 

 

In this legend, we see that Chenrezig’s compassionate concern for all beings was so
intense, he found that unless he had a thousand arms and a thousand eyes, he could not
adequately fulfill the wishes of the infinite sentient beings. It was the force of his
single-pointed aspiration that one day gave him those thousand arms and thousand
eyes. To this day, this image remains a potent religious symbol to the followers of
Mahayana Buddhism.

あらゆる生き物のことを気づかう、あまりにも強い慈悲心の持ち主であるこの観音菩薩
は、みずから千本の手と千の目がなければ、生きとし生けるものすべての願いを十分に
かなえることはできないとお思いになった、とこの伝説は語っています。菩薩は
このことを一心に念じ続けて、とうとうある日、千本の手と千の目を得たのだと
言います。今日にいたるまで、この観音菩薩のイメージは、大乗仏教徒にとって、
力強い宗教的象徴であり続けています。

 

 

A bodhisattva’s compassion for others should not be perceived purely in terms of
emotion. It is not a feeling rooted in attachment, nor is it based on any self-regarding
considerations such as thinking that being compassionate is good for one’s health or
spiritual well-being. It is a feeling arising spontaneously from a perception of others’
suffering and the simple recognition that others are sentient beings just like oneself.

菩薩の他者への慈悲の心は、たんなる感情としてとらえてはいけない、と思います。
それは執着に根ざした感情でないし、慈悲の心を持つと、自分の健康にもいいし、
精神的にもよい影響をあたえるから、というような、利己的な動機にもとづいている
のではありません。他人が苦しんでいることを認めて、他者もまた自分と同じ生きとし
生けるものなのだと気づくことのうちから、自発的に生まれる感情なのです。

 

 

In other words, there is a sense of connectedness and deep empathy with others yet with
a degree of freedom from attachment. There is neither attachment nor detachment. Of
course, such compassion arises only through deliberate cultivation. It is here that insight
plays a crucial role in the Buddhist path.

いいかえますと、自分と他者の間につながり(縁)のあることを感じて、深い共感を
覚えても、それが執着に陥らないような、心の自由さを保っていられることの中から、
菩薩の慈悲は育ってきます。執着でも無関心でもありません。そういう慈悲の心は、
じっくりと内省を重ねて、修練を積むことによってのみ、生まれてくることが
できます。仏教の道で、洞察の重要性が説かれるのは、そのためなのです。

 

 

Insight is the skillful navigator that steers the course of the compassionate ship.
According to the Mahayana scriptures, a bodhisattva shuns personal enlightenment
because of his or her compassion, and through this insight, he or she transcends the
world of fluctuating existence. In other words, the bodhisattva steers a middle course
between the solitary peace of nonexistence and the perpetual flux of becoming.

洞察は、熟練した水先案内人のように、慈悲という船の舵取りの働きをします。
大乗仏教の経典によると、菩薩は慈悲心によって、自分が悟りの中に入ってしまうのを
やめて、この洞察の力によって、流転を続ける存在の世界を超えようとします。つまり
菩薩というのは、非存在の孤独な平安と、生成を続ける世界の絶え間ない流れとの、
ちょうど中道を行く生き方を選んだ者なのです。

 

 

 

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