伊藤博文、大隈重信、そして現在話題の渋沢栄一など、明治維新の偉人たちは、
ほとんどが武士道の影響を受けていると言います。日本が、海外からの圧力
というより、自発的に発展していくことができたのは、武士道が欠かせなかった――
バイリンガルで、どうぞ。
Most great men in the Meiji Restoration such as Hirobumi Ito, Shigenobu Okuma, and
Eiichi Shibusawa, who is now the toast of the town, are said to have been influenced by
Bushido, which was indispensable to spontaneous development, rather than by pressure
from abroad, of Japan―― more to come both in English and in Japanese.
The transformation of Japan is a fact patent to the whole world. Into a work of such
magnitude various motives naturally entered; but if one were to name the principal, one
would not hesitate to name Bushido. When we opened the whole country to foreign
trade, when we introduced the latest improvements in every department of life, when we
began to study Western politics and sciences, our guiding motive was not the
development of our physical resources and the increase of wealth; much less was it
a blind imitation of Western customs.
日本の変貌は、今や全世界にあまねく知られている事実である。このような大事業を
成すに当たっては、おのずからさまざまな動力が入りこんだが、もしその主なる力を
挙げよと言われたら、誰も武士道を挙げることにためらいはしないだろう。わが国が
海外諸国との通商を開き、生活の各方面を刷新し、西洋の政治や科学を学びはじめた
とき、われわれの指導的な原動力となったものは、物質的な資源の開発や、富の増加
などではなく、まして西洋の習俗やその模倣でもなかった。
A close observer of oriental institutions and peoples has written: “We are told every day
how Europe has influenced Japan, and forget that the change in those islands was
entirely self-generated, that Europeans did not teach Japan, but that Japan of herself
chose to learn from Europe methods of organization, civil and military, which have so far
proved successful. She imported European mechanical science, as the Turks years before
imported European artillery. That is not exactly influence, unless, indeed, England is
influenced by purchasing tea in China. Where is the European apostle or philosopher or
states man or agitator, who has re-made Japan?”
東洋の制度やその民族をくわしく観察したタウンゼンド氏は、「われわれはいつも、
ヨーロッパがいかに日本に影響を及ぼしたかということを聞かされて、この島国の変化
は、まったく自発的であったことを忘れている。ヨーロッパが日本に教えたのでは
なくて、日本は自分からヨーロッパの文武の制度を学び、大きな成功をおさめてきた
のである。数年前、トルコがヨーロッパから大砲を輸入したように、日本はヨーロッパ
の機械科学を輸入した。しかし、それは正確に言えば影響ではない。イギリスが中国
からお茶を輸入することによって中国の影響を受けたとは言えないからである」と
言っており、さらにまた次のように述べている。「日本を改造したヨーロッパの使徒
や、哲学者や、政治家や、もしくは扇動者が、どこにいったのか」と。
Mr. Townsend has well perceived that the spirit of action which brought about the
changes in Japan lay entirely within our own selves; and if he had only probed into our
psychology, his keen powers of observation would easily have convinced him that this
spring was no other than Bushido. The sense of honour which cannot bear being looked
down upon as an inferior power, ――that was the strongest of motives.
タウンゼンド氏が、日本に変化をもたらした原動力は、すべてわれわれ日本人自身の中
にあったことを認識したのは、たしかに卓見である。そしてもし、彼がさらに日本人の
心理を観察したならば、氏の鋭い観察力は、その原動力が武士道にほかならなかった
ことを容易に確認することができたであろう。要するにわれわれ日本人が、外国から
劣等民族であると見下されることに耐えることができない名誉心――これが最大の動機
だったのである。
On the other hand, it is fair to recognise that for the very faults and defects of our
character, Bushido is largely responsible. Our lack of abstruse philosophy――while some
of our young men have already gained international reputation in scientific researches,
not one has achieved anything in philosophical lines――is traceable to the neglect of
metaphysical training under Bushido’s regimen of education.
しかし公平を期するために、日本人の性格の欠点や短所もまた、武士道が大いに責任が
あるということも、認めなければならない。わが国民が、深遠な哲学に欠ける原因は
――つまりわが国の青年が、科学の研究においてはすでに世界的な名声を博している
にもかかわらず、哲学の領域においてはなんらの貢献もしていない原因は――それは
武士道の教育制度において、形而上の学問の訓練をおろそかにしてきた故である。
Our sense of honour is responsible for our exaggerated sensitiveness and touchiness;
and if there is the conceit in us with which some foreigners charge us, that, too, is
a pathological outcome of honour.
わが国民が、感情に激しやすい性格をもっているのは、われわれの名誉心に責任が
ある。外国人がしばしばわれわれを非難するように「自負尊大」が、もしわが国民の
性格であるとすれば、それは名誉心の病的な行きすぎにほかならない。
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