「信仰」と聞いて、すぐに既成の宗教への入信を想像し、拒否反応を示す人も
多いと思いますが、マインドフルネスの伝道師ティク・ナット・ハンの説く
「信仰」は、必ずしも、宗教の道に入ることを意味しません。彼の言葉に耳を
傾けてみましょう。
True faith comes from how the path you are taking can bring you life and love
and happiness everyday. You continue to learn so that your happiness and
your peace, and the happiness and peace of the people around you, can grow.
You don’t have to follow a religious path in order to have faith. But if you are
committed only to a set of ideas and dogmas that may be called faith, that is
not true faith. We have to distinguish. That is not true faith, but it gives you energy.
That energy is still blind and can lead to suffering; it can cause suffering for other
people around you. Having the kind of energy that can keep you lucid, loving,
and tolerant is very different from having energy that is blind. You can make
a lot of mistakes out of that kind of energy. We have to distinguish between true
and blind faith. That is a problem in every tradition.
ほんとうの信仰は、あなたのいきいきとした愛と幸福の生活から生まれるものです。
学びつづけることによって、あなたやまわりの人々の幸福や平和が育ちます。信仰を
持つのに、宗教の道に入る必要はありません。信仰という名の観念やドグマに関わる
だけなら、それは真の信仰とはなりません。これを混同しないようにしてください。
真の信仰ではないのに、力だけが与えられることがあるからです。その力は盲目で
人を苦しみに向かわせて、まわりの人々の苦しみを引き起こします。明快で愛に満ち
忍耐強いエネルギーをもつことと、未熟で盲目的なエネルギーをもつことは別もの
です。そのようなエルルギーからは、大きなあやまちが生まれます。真の信仰と
盲目の信仰を区別しなければなりません。これがどの宗教でも陥りがちな問題です。
ちょっと長い引用になりましたが、例えば、オウム真理教の問題などを思い起こして
みれば、ティク・ナット・ハンの言う「盲目の信仰」の意味するところがわかると
思います。逆説的な言い方かもしれませんが、人間よりも何か大きな存在を信じる
「信仰」と、自分と「宗教」の関わり方は、一度分けて考えたほうが良いのかも
知れません。ただ、人は何かを信じなければ生きていけない生き物であることも、
また事実。最後に、かなり厳しい意見になるかもしれませんが、ティク・ナット・
ハンの以下の言葉を引用したいと思います。
People who do not believe in anything are those who suffer the most. They don’t
see anything beautiful, or true, or good. They are in complete confusion. That is
the utmost kind of suffering. They might suffer more deeply than any others we
might encounter. When you don’t believe in anything, you become sort of
wandering soul; you don’t know where to go or what to do. You don’t see any meaning
in being alive. Because of that, you may try to destroy yourself physically and mentally.
And there are so many ways of self-destruction available today.
何も信じられない人は、もっとも苦しむ人です。美しいものも、真実のものも、
善きものも、何も見えなくなり、完全に混乱して、極限の苦しみを味わいます。
彼らの苦しみは、私たちが出会うどんな人よりも、さらに深いものであるかも
しれません。何も信じない人は、さまよえる魂のような存在です。どこへ行くべきか、
何をすべきかを知らず、生きている意味も見いだせません。肉体的にも精神的にも
自己破滅に向かいます。そして今日ほど、自己破滅への道が用意された時代はないの
です。
Going Home: Jesus and Buddha as Brothers
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