しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

親子の確執を乗り越える、「悟り」とは?幸福につながる力「The Art of Power」その4。

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無常とともに、仏教を語るうえで欠かせないのが「無我(nonself)」への悟り。
禅僧ティク・ナット・ハンによれば、無我とは「自分は存在しない」という意味
ではなく、「自分は完全に独立した主体ではない」という意味だそうです。
彼の言葉に耳を傾けてみましょう。

 

A lot of our suffering is born from the discrimination between self and others and
our notion of a separate self. Suppose you are a parent. Looking into your child,
you will see that your son, your daughter is your continuation. Just as a corn plant is
the continuation of a kernel of corn, the child is a continuation of the parent. The father
is there in every cell of the son. The father and son are not exactly one person,
but they are not exactly two different people either.

人間の苦しみの多くは、自己と他人の区別、それに独立した自己という概念から
生まれます。たとえば、あなたに息子や娘がいるとしましょう。よくよく見れば、
その子が自分の延長であることがわかるでしょう。植物がその種の延長であるように、
子どもは親の延長なのです。息子のすべての細胞に父親が存在しています。父と息子は
同一人物ではありません。だからといって、まったく別個のふたりの人間というわけ
でもないのです。

 

If the father can see this, he touches his nature of nonself. If the son suffers, the father
suffers, and vice versa. So getting angry at your son is getting angry at yourself.
Getting angry at your father is getting angry at yourself. This is very clear.

もし父親がこのことを理解すれば、自分は無我であるという本質を知ることになる
のです。息子が苦しめば、父親も苦しむ。そしてその逆もあります。息子に対して
憤るとは、すなわち自分に対して憤ること。父親に対して憤るとは、すなわち
自分自身に憤ることなのです。とても明快なことです。

 

When you are able to touch your nature of no-self, when you no longer see
a distinction between you and your daughter or son, your anger will vanish.
When you are in a power struggle, if you know how to meditate on nonself,
you will know what to do. You can stop your own suffering and the suffering of
the other people in the struggle. You know that his anger is your anger,
his suffering is your suffering, and his happiness is your happiness.                              

自分の無我の本質に触れることができるなら、娘や息子を自分と区別なく見られる
なら、あなたの怒りは消えるでしょう。力と力のぶつかり合いになったとき無我に
ついて瞑想する方法を知っていれば、何をすべきかがわかるはずです。自分自身の
苦しみも、もがいている他人の苦しみも止めることができます。相手の怒りは自分の
怒り、相手の苦しみは自分の苦しみ、相手の幸せは自分の幸せだからです。

 

It is because of ignorance that we suffer. When we begin to touch insight, we are
deeply in touch with reality and there is no longer fear. There is compassion.
There is acceptance. There is tolerance. This is why we talk about insight as
a kind of superpower. If you take time to look at reality using the insight of
impermanence and nonself, you will have a breakthrough that will liberate you
from your suffering and your difficulties.

人が苦しむのは、無知だからです。悟りに触れることができるようになれば、
現実を深く理解でき、もはや恐れはなくなります。その代わりに思いやりや受容、
寛大さが生まれるのです。それゆえに悟りは、ひとつの「超大力」と呼ばれるのです。
無常と無我の悟りを用いて現実をじっくり見つめる時間を持てば、突破口が開け、
苦しみや困難から解放されることでしょう。

 

The Art of Power

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あなたに幸福が訪れる禅的生活のこころ―澄んだ思考と穏やかな心から生まれる「真の力」の使い方

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The Art of Power: Library Edition

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愛する人の死を乗り越える、無常への「悟り」。幸福につながる力「The Art of Power」その3。

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禅僧ティク・ナット・ハンによれば、仏教を語るときに欠かせない「無常
(impermanence)」とは、考え方や概念ではなく、ひとつの「悟り(insight)」である
とのこと。多くの人は安定と永続性の概念に必死にしがみつこうとし、無常の教えを
聞くと不安になってしまうのですが、無常とはネガティブなばかりではなく、
ボジティブでもあると言います。

 

However, sometimes we forget about impermanence. Although intellectually
we realize that everything is impermanent, we forget that one day our loved one
will get sick and die. We don’t remember that we ourselves have to die some day.
We have a tendency to think that we will live forever. And therefore we do not have
the insight we need to live beautifully and really cherish our loved one.

ところが人はときどき、この無常というものを忘れてしまいます。すべてのものは
無常であると頭ではわかっていながら、いつの日か自分の愛する者が病気になり
死んでしまうかもしれないことを忘れてしまうのです。私たち自身がいつかは
死ななければならないことも忘れています。自分は永遠の存在だと思いがちなのです。
だから、今を美しく生き、本当の意味で愛する者を大事にするために必要な悟りを
得ることができないのです。

 

For many of us, the excruciating pain we feel at the death of a beloved one is not
entirely because we miss him, but more because we regret that while our beloved
was alive, we didn’t have time for him, we didn’t care wholeheartedly for him.
We may have treated him unkindly. And now that our beloved is gone,
we feel guilty.
多くの人は最愛の人の死に際して悲愴な苦しみを味わいますが、それはその人が
いなくなって寂しいからだけではなく、生きているうちにその人のためにもっと
時間を作ってあげればよかった、心の底からその人を慈しめばよかったと後悔する
からなのです。ときには辛く当たってしまったこともあるでしょう。だから最愛の人
が逝ってしまったときに、罪の意識にさいなまされるのです。

 

If we have the insight of impermanence, we know that our beloved will die one day
and that we must do everything we can to make her happy today. Don’t wait for
tomorrow. Tomorrow may be too late. If we know how to live according to the insight
of impermanence, we will not make many mistakes. We can be happy right now.
We can love our beloved, care for her, and make her happy today. And we won’t run
toward the future, losing our life, which is available only in the present moment.

もし無常についての悟りを持ち合わせていれば、最愛の人がいつかは死ぬということ、
だからこそ今日、その人を幸せにするために力を尽くさなければならないことが理解
できるはずです。明日まで待ってはいけない。明日では遅いかもしれない。無常と
いう悟りにしたがう生き方を知っていれば、たくさんの過ちを犯さずにすみます。
今この場で幸せでいられます。今日、最愛の人を愛し、慈しみ、幸せにしてあげられる
のです。そして、今このときにしか与えられていない大事な生を、「未来に向かって
走る」などという口実のために失ったりしないのです。

 

 

 

The Art of Power

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あなたに幸福が訪れる禅的生活のこころ―澄んだ思考と穏やかな心から生まれる「真の力」の使い方

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The Art of Power

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幸福につながる力「The Art of Power」その2。今この瞬間を生きる、マインドフルネス。

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マインドフルネス(気づき)とは、今この瞬間に何が起きているのかを知る
エネルギーだと言います。禅僧ティク・ナット・ハンによれば、自分の中に、
この気づきのエネルギーがあれば、全身全霊で存在し、全身全霊で生き、
日々の生活の一瞬一瞬を深く生きることができる、と言うのです。

 

Mindfulness is the capacity to recognize things as they are. When you are mindful,
you recognize what is going on, what is happening in the here and now. When you
recognize something positive, you can enjoy it, you can nourish and heal yourself
just by recognizing these positive elements.

気づきとは、ものごとをありのままに認識する能力です。気づきの状態にあれば、
今ここで何が起きているのかを認識でき、それがポジティブなことであれば、
それを楽しむことができます。ポジティブな要素を認識するだけで自分自身を育み、
癒すことができるのです。

 

And when something is negative, mindfulness help you embrace it, soothe it, and
get some relief. Mindfulness is an energy that can hold the suffering, the anger,
the despair, if you know how to hold your suffering long enough, you get relief.

逆にそれがネガティブなことだったら、気づきはあなたがそれを抱きしめ、なだめ、
安心を得られるよう助けてくれます。気づきとは、苦しみ、怒り、失望などに
耐えられるエネルギーです。苦しみにじゅうぶん耐えるにはどうするかがわかれば、
安心できるでしょう。

 

If we lose the power of mindfulness, we lose everything. Without mindfulness,
we make and spend our money in ways that destroy us and other people. We use
our fame in such a way that we destroy ourselves and others. We use our military
strength to destroy ourselves and other people.

もし気づきの力を失えば、すべてが失われます。気づきがなければ、自分自身と
他の人々を破滅させるようなやり方でお金を稼ぎ、また使ってしまうでしょう。
同様のやり方で名声を使い、軍事力を使ってしまうのです。

 

この気づき(マインドフルネス)は、もうひとつの幸福につながる力「専念
(concentration)」をもたらし、さらに、その専念の力を使って何かを見ているとき、
その対象を徹底的に見ること可能にしてくれるのが、仏教や禅を語るときに欠かせ
ない「悟り(insight)」だと言います、次回は、この悟りの力についてご紹介します。
どうぞお楽しみに!

 

The Art of Power

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幸福につながる力「The Art of Power」その1。ボジティブの種に水やりを忘れない。

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仏教では力というものを、世間とは違った尺度で見ています。経済力や政治的権力と
いったものではなく、私たちの幸福に真につながる力とは何かを、マインドフルネス
の伝道師ティク・ナット・ハンの著書「The Art of Power」から紹介していきます。

 

What most people call power Buddhists call cravings. The five cravings are for wealth,
fame, sex, fancy food, and lots of sleep. In Buddhism, we speak of the five true powers,
five kinds of energy. The five powers are faith, diligence, mindfulness, concentration,
and insight.

多くの人が「力」と呼ぶものを、仏教では「渇望」と呼んでいます。五つの渇望とは、
富、名声、セックス、贅沢な食事、惰眠を求めることを指します。仏教では、五つの
真の力、五種類のエネルギーについて語っています。その五つの力とは、信頼、精励、
気づき、専念、悟りの力です。

 

「The Art of Power」では、この五つの力について、それぞれ詳しく述べられて
いますが、なかでも、毎日の実践という観点から、具体的なイメージが湧きやすい
「精励(diligence)」に関する記述をピックアップします。その前提として、仏教心理学
では、人間の心にはふたつの層があると考えられており、下の層を「蔵識(store
consciousness)」、上の層を「意識(mind consciousness)」と呼んでいます。意識とは
目覚めている思考のこと、蔵識とはいわば無意識の思考のことだと言います。

 

We all have a seed of anger, a seed of despair, and a seed of jealousy in us. If you live
in a negative environment, the environment can trigger these seeds. If you live in
a positive environment, then the seeds of craving, violence, hate, and anger are not
touched, not watered easily. So it is wise for you to choose a good environment that
will prevent these negative seeds from being touched often. You should not allow
other people around you to touch these seeds, and you should not allow yourself
to water them.

人は皆、怒りの種、失望の種、妬みの種を内に秘めています。ネガティブな環境に
住んでいると、その環境がこれらの引き金を引いてしまいます。ポジティブな環境に
住んでいれば、渇望の種、暴力の種、憎しみの種、怒りの種は容易に触れられたり水
をまかれたりしません。ですから、これらネガティブな種に触れるのを避けるため
には、良い環境を選ぶほうが賢明です。周囲の人々に触れさせず、自分自身にも
水やりを許してはいけません。

 

The seeds of awakening, understanding, and compassion are always in us. They are
part of our inherent nature. The question is how to help these seeds manifest.
If the positive, wholesome seeds in store consciousness haven’t manifested, help them
manifest. Read something, say something, watch something that will water the seed
of compassion, of loving kindness, so it will manifest in your mind. Organize your life
in such a way that the good seeds in you can be touched several times a day,
so they can manifest on the level of mind consciousness. This can be done quickly.

覚醒、理解、思いやりの種は、常に自分の中に存在します。いわば生まれながらの
性質の一部なのです。問題は、それらの種をどうやって開花させるかです。蔵識の中
のポジティブで健全な種がまだ花開いていないなら、開かせてやりましょう。思いやり
の種や愛情こもった親切の種に水を注ぐようなものを見たり、言ったり、読んだりする
ことで、それらが心の中に花開きます。一日に何度も良い種に触れることができる
ように、そして意識のレベルでそれらが開花できるように、生活を整えましょう。
これはすぐに実行できます。

 

The Art of Power

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仏教瞑想法の核心、マインドフルネス。すべては自分に戻る練習。「生けるブッダ、生けるキリスト」その10

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脳の疲れを癒し、集中力を高めるためのノウハウとして大流行している
マインドフルネスは、もともとブッダの呼吸法に由来しています。そのポイントは、
呼吸をていねいに行なうことで、いま・ここにいる自分をしっかりと意識すること。
本家本元であるティク・ナット・ハンの解説に耳を傾けてみましょう。

 

The practice of taking refuge can be done every day, several times a day.
Whenever you feel agitated, sad, afraid, or worried, you can go back to
your island of mindfulness.

自分の気づきに戻る練習(帰依)は、毎日、何回もくりかえして練習するものです。
心が動揺したとき、悲しいとき、恐ろしい目にあったり、心配でたまらないときには
いつでも、自分自身の気づきという島に帰る練習をするのです。

 

If you practice when you are not experiencing difficulty, it will be easier to go back to
your island of self when the need is great. Don’t wait until you are hit by a wave to
go back to your island. Practice every day by living mindfully each moment of your life,
and the practice will become a habit. Then when a difficult moment arrives, it will be
natural and easy to take refuge. Walking, breathing, sitting, eating, and drinking tea
in mindfulness are all practice of taking refuge.

日ごろから、問題が起きていないときでも練習しておくと、いざ辛いことが起こった
ときには、すぐに簡単に自分の島に戻ることができるようになるのです。この練習を
してみるのに、大波に打たれて自分の島に避難しなければならなくなるまで待つ必要
はありません。毎日の一瞬一瞬を気づきをもって暮らす練習をしていたら、それが
習慣として身につくので、たいへんな事態が起こったときに、自然に気づきに戻れる
ようになります。気づきをもって歩き、呼吸し、坐り、飲食することは、すべて自分
に戻る練習なのです。

 

This is not a matter of belief. It is very grounded in experience. If I am ever in
an airplane and the pilot announces that our plane is about to crash. I will practice
mindful breathing and taking refuge in the island of self. I know that is the best thing
I can do.

これは信仰の問題ではなくて、生きるという経験に根ざした練習なのです。飛行機に
乗っていて、パイロットが墜落するとアナウンスしても、私なら気づきの呼吸を
つづけて、自分の島に戻る練習をつづけると思います。それが最善の道だとよく
知っているからです。

 

Living Buddha, Living Christ 20th Anniversary Edition

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生けるブッダ、生けるキリスト

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Living Buddha, Living Christ

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東洋で、西洋で。自分のルーツ「仏壇」を見直す。「生けるブッダ、生けるキリスト」その9

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洋の東西を問わず、多くの若者が自分のルーツを見失い、自分の両親や祖父母たちの
伝統を評価し、受け継ぐことができなくなっている、今。マインドフルネスの伝道師
ティク・ナット・ハンは、われわれ日本人の暮らしに、まだ残っている「仏壇」の
素晴らしい効用に眼を向けます。彼の言葉に耳を傾けてみましょう。

 

In East Asia, every home has a family altar. Whenever there is an important event
in the family, such as the birth of a child, we offer incense and announce the news
to our ancestors. If our son is about to go to college, we make an offering and
announce that tomorrow our son will leave for college. When we return home
after a long trip, the first thing we do is offer incense to our ancestors and announce
that we are home. When we practice this way, we always feel deeply rooted in the family.
東アジアには、たいていどの家にも仏壇があります。家族に子どもの誕生のような
おめでたいことがあると、仏壇に香を焚いて、このニュースをご先祖に報告します。
息子が大学に進学する日には、仏壇にお供えをして「あの子が大学に行くんですよ」
と語りかけます。また、長旅から帰ったら、まず香を焚き、無事の帰宅を感謝します。
このような習慣は、いつも家族との繋がりや深い根を感じさせます。

 

I encourage my students of Western origin to do the same. When we respect our blood
ancestors and our spiritual ancestors, we feel rooted. If we can find ways to cherish and
develop our spiritual heritage, we will avoid the kind of alienation that is destroying
society, and we will become whole again.

私は西洋の若者たちにも、このような練習を奨励しています。人は先祖との血の
繋がりや霊的先祖を大切にするとき、自分が孤立した孤独な存在ではなく、しっかり
と根づいていると感じることができます。それぞれの霊的遺産を大切に育て、伝えて
ゆく方法がわかったら、私たちは孤立、疎外という社会を破壊する力から脱して、
もう一度、全体性をとり戻すことができるでしょう。

 

We must encourage others, especially young people, to go back to their tradition
and rediscover the jewels that are there. Learning to touch deeply the jewels of
our own tradition will allow us to understand and appreciate the values of other
traditions, and this will benefit everyone.

そのためには、とりわけ若者たちに働きかけ、励まして、それぞれの伝統に戻り、
そこにある宝を再発見してもらわなければなりません。自分の伝統の宝に深く触れる
ことを学んだら、私たちは他の伝統の価値を理解し、そのよさを評価することが
できるのです。そして、このような考えかたは、みんなによい影響を与えてゆく
はずです。

 

Living Buddha, Living Christ: 20th Anniversary Edition

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生けるブッダ、生けるキリスト

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「敵を愛する」たったひとつの方法とは?「生けるブッダ、生けるキリスト」その8

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「あなたの敵を愛しなさい」は、最も良く知られたイエスの言葉のひとつですが、
禅僧ティク・ナット・ハンは、仏教徒の立場から、この言葉の実践に関して、深い
見解を述べています。

 

Even if our enemy is cruel, even if he is crushing us, sowing terror and injustice,
we have to love him. This is the message of Jesus. But how can we love our enemy?
There is only one way-to understand him. We have to understand why he is that way,
how he has come to be like that, why he does not see things the way we do.

たとえ敵が残酷な仕打ちをしたり、私たちを虐げたり、恐怖や不正の種を蒔いた
としても、敵を愛さなければならない。これはイエスのメッセージです。しかし、
いったいどうしたら敵を愛することができるのでしょうか。たったひとつ方法が
あります。それは敵を理解するという方法です。私たちはなぜ彼がそうなのか、
どうしてそのようになったのか、なぜ私たちのような物事の見方ができないのかを、
その人の立場に立って理解しなければなりません。

 

Understanding a person brings us the power to love and accept him. And the moment
we love and accept him, he ceases to be our enemy. To “love our enemy” is impossible,
because the moment we love him, he is no longer our enemy.

人を理解することは、愛と受容の力を育てます。相手を受け入れ、慈しむとき、
敵としての他者は姿を消すのです。ですから、「敵を愛すること」は、事実上
ありえないことになります。愛の心で見つめたその瞬間に、相手はもう敵では
なくなるからです。

 

To love him, we must practice deep looking in order to understand him. If we do,
we accept him, we love him, and we also accept and love ourselves. As Buddhists
or Christians, we cannot question that understanding is the most important component
for transformation. If we talk to each other, if we organize a dialogue, it is because
we believe there is a possibility that we can understand the other person better.
When we understand another person, we understand ourselves better. And when
we understand ourselves better, we understand the other person better, too.

人を愛するためには、理解を深める練習をしなければなりません。理解が深まれば、
相手ばかりか、自分自身を受け入れ、慈しむことができるのです。仏教徒
キリスト教徒にとって、自他の理解が最も大切な自己変容の要素であることに
疑いの余地はありません。私たちが話しあいや対話の場を持つのは、それによって、
いまよりももっと深くおたがい同士が理解しあえると信じているからです。他者の
理解は自己認識を深め、その深さは他者のよりよい理解へとつながってゆくのです。

 

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生けるブッダ、生けるキリスト

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