しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

マインドフルネスが教える”True Love”。まずは、自分を愛することから。

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何のためにマインドフルネスが必要なのか?そのひとつの答えを、ティク・ナット・
ハンの著 ”True Love” の中に見つけました。

 

The Buddha said this; “The object of your practice should first of all be yourself.
Your love for the other, your ability to love another person, depends on your ability
to love yourself."

ブッダはこう言っている「(マインドフルネスを獲得するための)修行の目的は、
まずはじめに、”自分自身であること”。なぜなら、誰かを愛する能力は、自分を
愛する能力があってこそだから。」

 

仏教では、いい意味で「自分大好き人間」になれるかどうかが、誰かと
”True Love” な関係を持てるかどうかの分かれ道だと説いているわけです。
また、ティク・ナット・ハンは、

 

Caring for yourself, reestablishing peace in yourself,

is the basic condition for helping someone else.

自分自身のことを気にかけ、ふたたび、心の平穏を持てるようになることが、

誰かの助けができるための基本的な条件である。

 

と言っており、この本では「自分を捨てて誰かを助ける」という道は示して
いません。”True Love”というタイトルから、自己犠牲の話が出てくるのかと
予想していましたが、違っていました。他にも、「愛」に関する安易な思い込みを、
いったんゼロにしてくれる、目からウロコの話が満載で、とても面白かったです。
残念ながら、日本語訳は出版されていないようですが、英語は比較的読みやすく、
リスニング能力アップにつながるCDも出ていて便利。オススメです。

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英語で学ぶ、マインドフルネスが獲得できる、お茶の入れ方。

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「暮らしのなかの瞑想入門」というサブタイトルがついた、伝道師ティク・ナット・
ハン著の「気づきの奇跡( The Miracle of Mindfulness )」では、座禅を組む本格的な
瞑想のやり方だけでなく、日常生活の中でマインドフルネスが獲得できる、様々な
方法が説明されています。例えば、お茶ひとつ入れるにしても、

 

Do each movement slowly, in mindfulness.

Do not let one detail of your movements go by without being mindful of it.

Know that your hand lifts the pot by its handle.

Know that you are pouring the fragrant warm tea into the cup.

Follow each step in mindfulness.

Breathe gently and more deeply than usual.

Take hold of your breath if your mind strays.

お茶をを入れるひとつひとつの動作をゆっくりと、気づきをもって行ないます。

細かな動作も、ひとつひとつていねいに、心をこめてお茶を入れます。

あなたの手がポットの把手を持つとき、温かく香り高いお茶をカップに注ぐとき、

そのひとつひとつの動作に気づいてください。

そして、いつもより深くやさしく呼吸をしてみましょう。

心がどこかにさまよいだしたら、呼吸に戻ります。

 

その他にも、皿洗い、洗濯、掃除など、ありとあらゆる日常動作において、つねに
「マインドフルネス(気づき)」を心がけて行なう。つまり、過去でも未来でもない
「いまこの時のリアリティ(現実の姿)をありありと意識すること=気づき」を大切に
して暮らせば、心の平穏、そして幸福へとつながるというのです。正直言って、
この本に書いてある瞑想法のすべてを身に着けることは、なかなかむずかしいと
思いますが、例えば、次にお茶を入れる時から、マインドフルネス獲得への一歩目を
踏み出すことなら、なんとかできそうです。自分とは関係のない「高尚な修行」では
なく、暮らしの中で実践できるマインドフルネス。その手引きとして、ティク・
ナット・ハンの英語に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。この「気づきの奇跡
( The Miracle of Mindfulness )」は、他の著作と比べると難解かも知れませんが、
CDそして翻訳本も揃っているので、ちょっとハードルの高い英語にチャレンジ
したい方にオススメです。

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ハイテク戦争の今を英語で知る、映画「アイ・イン・ザ・スカイ」。

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ドローンが発見した犯行準備中のテロリストたちを、はるか上空からミサイルで
狙い撃ちしようとした、まさにその瞬間。パン売りの少女が視界に入ってくる。
発射すべきか回避すべきか、つまり、これから犠牲となる何十名の生命か、
それとも目の前の一人の生命か。その決定は、戦争現場ではなく、遠く離れた
祖国の会議室で下される・・・映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な
戦場」は、現代の戦争が抱える問題を、サスペンスに満ちたタッチで描いた
傑作です。その英語は、軍事用語が飛び交って、リスニングの対象としては
かなり難しいのですが、これからご覧になる方のために、役に立つ事前知識
としてご紹介します。まず、テロリスト攻撃前のやりとりで、

 

I cannot authorize a strike without a positive ID.

 

つまり、本人確認がしっかりできないと、攻撃を許可できない。しかし、

 

We’re seeing suicide vests and a whole bunch of fucking explosives
in the house.

 

と、「自爆テロ用のベスト」と「爆弾」が発見されたことで、攻撃命令が
下されようとします。ところが、その家の前にパンを売り始める少女が出現。
ここで問題とされるのが、“Collateral Damage Estimate” 略してCDEと呼ばれる
数字、つまり「巻き添え被害」の計算値で、映画字幕では「付随的被害」と
されていました。CDEが何パーセント以下なら、たとえ対象が少女であっても、
攻撃命令を下せるのか? いや、そもそも、そんな数値に意味があるのか? という
根源的な問いに対する答えは、もちろん、映画を観て確かめていただきたいと
思います。英語学習に重点を置かれる方は、ネットにある全セリフ(script) に
目を通してから、チャレンジするのがオススメ。とても良くできた映画なので、
結果がわかっていても、充分楽しめるのではないかと思います。

 

マインドフルネスが教える、コミュニケーションの極意。”Deep Listening”

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マインドフルネスで人々を癒し続ける、伝道師ティク・ナット・ハンのベスト・
セラー「怒り(anger)」の中に、こんな記述があります。話し合うのが苦手で疎遠
になりがちな相手に対して、

 

You cannot face him and at the same time you cannot avoid him.

The only solution is train yourself to be able to communicate again.

Deep listening is the way.

あなたは彼と向き合うこともできなければ、彼を避けることもできません。

唯一の解決策は、再びコミュニケーションがとれるよう自分を訓練することです。

そのためには、深く聴けるようになることです。

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一方で、世界で最も有名なテレビ司会者、ラリー・キングのベスト・セラー
「伝え方の極意(How to Talk to Anyone, Anytime, Anywhere)」の中で明か
されている、「トークの帝王」の座右の銘は、

 

I never learn a thing while I’m talking.

自分が話している間は何事も学べない。

 

であり、

 

To be a good talker, you must be a good listener.

会話がうまくなりたいなら、相手の話を良く聞かなくてはならない。

 

と語っているのです。はからずも、東西の賢者が両方とも、コミュニケーションに
おける ”Listening” の大切さを強調しており、ティク・ナット・ハンの「怒り」では、
さらに詳しく、”Deep Listening” のやり方が解説されています。私自身、コミュニケ
ーションが上手くいかなくて悩んでいた時、この東西のベスト・セラー2冊が、
とても役に立つ道しるべになりました。どちらも、英語は比較的読みやすかった
ですよ。オススメです。

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「君の名は。」と並ぶ傑作恋愛映画 ”Butterfly Effect”で、英語リスニング。

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すでにかなりの人が観ており、これくらいのネタバレはお許しいただきたいのですが、
超ヒット映画「君の名は。」は、過去と現在の関係という時間に関するテーマを
扱っています。

そして、古今東西の「時間をめぐる恋愛映画」の中で、エポックメイキングとなった
名作が「バタフライ・エフェクト」。2005年に公開されるや、その斬新な発想と
感動的なストーリーが評判に評判を呼び、続けて「バタフライ・エフェクト2」
バタフライ・エフェクト3」が制作されたほどの、素晴らしい作品なのです。
君の名は。」と比較すると、そのエンディングに大きな違いがありますが、
どちらも甲乙つけがたい傑作であることに変わりはありません。心に残るセリフ
としては、

 

Happiness can only be achieved through sacrifice.

誰かのしあわせは、誰かの犠牲があってこそ。

 

詳しくは、ぜひ最後まで鑑賞して、このセリフが意味するところを確かめて
いただきたいのですが、何度繰り返して観ても飽きない、という点で、
英語リスニングの教材に適していると思います。すべてのシーンの英語の
セリフは、”Butterfly Effect Script” で検索すれば、簡単にゲットできます。
最初は何の準備もせずに、なるべく字幕に頼らないで鑑賞。そして次は、
英語全文に眼を通してから、DVDで字幕OFFにして聞き取りにチャレンジ。
おそらく、かなりの学習効果があるはずです。年末年始に、洋画鑑賞しながら
英語リスニング能力を磨きたいという方、ぜひお試しください。

 

 

奇跡とは地球の上を歩くこと。”The miracle is not to walk on water but to walk on the Earth.

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マインドフルネスの伝道師ティク・ナット・ハンが良くするという例え話を
紹介します。月に到着したふたりの宇宙飛行士が事故に会い、地球から救援隊
が来てくれる可能性は、ゼロ。酸素は、あと2日分しかない。彼らに今一番
したいことは何ですか? と尋ねたとしたら、きっとこう答えるだろう、と
いうのです。

 

To be back home walking on the beautiful planet Earth.

わが家に戻って、美しい地球の上を歩きたい。

 

それだけで充分。他に何を望むというのでしょう。だから、

 

We should live everyday like people who have just rescued from the moon.

We are on Earth now, and we need to enjoy walking on this precious planet.

毎日、月から救出されたばかりの人のように生きてみよう。

いまこの地上で、この尊く美しい惑星(ほし)の上を、味わい楽しみながら

歩いてみよう。

「死もなく、怖れもなく(no death, no fear)」より

 

いまここに生きていることのありがたさを語る、ティク・ナット・ハンの
言葉は、このようにつねに具体的でわかりやすい例えに満ちています。
私にとって、なかなかとっつきにくかった仏教の教えも、彼の著作を読む
ことで、かなり頭に入れることができました。しかも原書にチャレンジ
したことで、日本語ではなかなか理解できなかったことが、ストンと腑に
落ちたのです。英語は、日本語に比べて、あいまいさを許さない明晰な
言葉です。もちろん、どちらの言語が優れているというのではなく、
東洋そして日本についての「理解を深める」のにもっと英語を活用する
と良いのではないかと思うのです。いわば、自分の中での「逆輸入」。
試してみてはいかがでしょうか。

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マインドフルネスが教える、幸福。”Happiness arrives from many directions.”

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欧米でのマインドフルネスの普及に多大なる貢献をした、ティク・ナット・ハンは
教えます。「幸福はいろいろなところからやってくる」だから、もしあなたが、
ひとつの方向だけ見つめて幸福を待ち焦がれているとすれば、かえって幸福を
つかむチャンスを見逃してしまう、というのです。そして、

 

You have put many conditions on your happiness.

And then, even if you do have all your conditions met,

you still won’t be happy. You will just keep creating

new conditions for your happiness.

自分の幸福にたくさんの条件をつける。

そして、それらすべてがかなっても、

まだ幸福になれない。幸福に次々と新しい条件をつけていく。

ティク・ナット・ハン著「死もなく、怖れもなく(no death, no fear)」より

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だから、もしかしたら、幸福に関するあなたの考え方は、どこか間違っている
かもしれません。なぜなら、マインドフルネスの源流であるブッダの言葉に
あるように、

 

Happiness can only be possible in the here and now.

幸福はいまここにしかない。

 

からなのです。これは、いわゆる「悟り」を開いた人間だけが理解できる
「境地」などではけっしてなく、毎日の生活の中でコツコツと「マインド
フルネス(気づき)」を積み上げていけば、自然にたどりつく考え方なのかも
しれません。恥ずかしながら、「煩悩だらけの」私自身も、これからは、
朝起きたら、まずは深呼吸してマインドフルネスを獲得し、「いまここに
生きている」一瞬一瞬のありがたさを噛みしめることから始めたいと
思います。