次から次へと欲望を満たすことに懸命になってしまう自分に疑問を感じるとき。
それは、あなたが生まれた、まさにその時に、心に負ったトラウマが原因かも
しれません。マインドフルネスの伝道師ティク・ナット・ハンの言葉に
耳を傾けてみましょう。
When we were born, our fear was born at the same time with us. During the nine months
in the womb of our mother, we felt safe. We didn’t have to do anything. It was so
comfortable. But when we were born, the situation changed drastically. They cut
the umbilical cord, and we had to learn how to breathe for ourselves. There might have
been liquid in our lungs and we had to push that liquid out so we could take our first
in-breath. Whether we would survive or not depended on those first breaths.
私たちが生まれたとき、同時に怖れも生まれました。母の子宮で過ごした九か月間、
私たちは安心していました。何をする必要もなく、とても心地よかったのです。
しかし、生まれてくると、状況は一変しました。へその緒を断ち切られ、自力で
呼吸する方法を身につけなくてはなりません。最初の呼吸をするために、肺にたまった
羊水を押し出さなくてはなりません。産声をあげられるかどうかに生死がかかって
いたのです。
This is where the original fear comes from. We want to survive. As a tender baby,
we have arms and feet, but we can’t use them. We need someone to take care of us.
With original fear comes original desire. There is the fear of being left alone and
there is the desire to survive. Even when we’ve grown up to be an adult, the original fear
and original desire are still there.
これこそ、原初の恐怖の来たるところです。生き延びたい。しかし、か弱い赤ん坊
ですから、手も足もまだうまく使えません。誰か、自分を世話してくれる人が必要
です。こうして、原初の怖れとともに原初の欲望が生まれました。そこには「ひとり
にされる恐怖」と「生き延びたいという欲望」があります。成長して大人になっても、
原初の怖れと欲望はそのまま存在しています。
Fear and desire have the same root. We’re afraid that we will die; that is why we desire.
We desire that someone will be there who can help us to survive. We’re hoping
every moment for that person to come, to help us, to protect us.
怖れと欲望の根本は同じです。私たちは死ぬのが怖い。それゆえに望むのです――
生き延びられるように、誰か助けてくれる人がいてくれるように、いつでもその人が
来て、自分を助け、守ってくれるようにと。
We feel that we’re still helpless, that we don’t have the means to survive by ourselves.
We need another person. If we look deeply into our desire, we see that every kind of
desire we have is a continuation of the original desire.
そして実は心の中でいまだに自分は無力で、ひとりでは生きていけないと感じ、
他者を必要としているのです。その欲望を深く見つめるならば、自分のありと
あらゆる欲望は実はそこから来ており、その続きなのだとわかります。
Because we haven’t acknowledged the desire of the child inside, our desire is impossible
to satisfy. We want a new relationship, or a new job, or more money. But once we obtain
these things, we don’t enjoy them. Desire after desire, we never stop.
ですから、内なる子どもの望みを認めなければ、真に望みが満たされることはありません。私たちは「新しい恋愛関係や仕事がほしい」「もっとお金がほしい」などと望みますが、一度手にしてしまうと、再び、「もっと」「もっと」と渇望し始めます。根本の望みを満たさないかぎり、欲望につぐ欲望が決して止むことはありません。
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