しあわせになる英語 English for Happiness

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「ダライ・ラマ 科学への旅」その8。遺伝子組み換え食品の落とし穴。

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世界の食料問題を解決する切り札として、遺伝子工学にスポットライトを当てる議論が
あります。いわゆる「遺伝子組み換え食品」、英語で“GMO(Genetically Modified
Organism)”の開発ですが、いわく、賞味期限が長く、世界の端から端へと容易に輸出
できる、見た目が良くて商品として都合が良い、そもそも増加する世界の人口を
食べさせるには食物の何らかの遺伝的改良が不可欠だ等々、賛成派は良い面ばかり強調
しがちです。しかし、本当に問題はないのか?――ダライ・ラマの見解をバイリンガル
でご紹介します。

 

Many people are becoming increasingly worried by the long-term consequences of
producing and consuming genetically modified produce. The gulf between the scientific
community and the general public may be caused in part by the lack of transparency
in the companies developing these products. The onus should be on the biotech industry
both to demonstrate that there are no long-term negative consequences for consumers
of these new products and to adopt complete transparency on all the possible
implications such plants may have for the natural environment. Clearly the argument that
if there is no conclusive evidence that a particular product is harmful then there is
nothing wrong with it cannot be accepted.

遺伝子組み換え食品の生産や消費による長期的な影響について、多くの人びとが
ますます懸念するようになっています。科学者たちと一般の人びととの間に大きな溝が
できているのです。その原因は、ひとつにはこうした商品を生産している企業の側の、
情報の透明性の問題にあるかもしれません。バイオ産業界は、こうした新商品を
食べても消費者には有害な長期的影響がないことを示し、自然環境に対する影響の
あらゆる可能性についても、完全な情報の透明性を実現する責任があるはずです。
「特定の商品が有害だという決定的な証拠がないから問題はない」という主張は容認
できません。

 

The point is that genetically modified food is not just another product, like a car or
a portable computer. Whether we like it or not, we do not know the long-term
consequences of introducing genetically modified organisms into the wider environment.

遺伝子組み換え食品は、車やノート型パソコンのような単なる新商品とは違うのです。
遺伝子を組み換えた有機物を私たちが暮らす環境のなかに投入すると、どのような
長期的影響が出るか、好もうと好まざるとにかかわらず、その答えはわからないの
です。

 

In medicine, for instance, the drug thalidomide was found to be excellent for
the treatment of morning sickness in pregnant women, but its long-term consequences
for the health of the unborn child were not foreseen and proved catastrophic.

例えば医薬品の分野でも、かつてサリドマイドという薬が妊婦のつわりにとてもよく
効くことがわかりました。しかし胎児の健康に対する長期的影響が予見されず、
悲劇的な結果をもたらしました。

 

Given the tremendous pace of development in modern genetics, it is urgent now to refine
our capacity for moral reasoning so that we are equipped to address the ethical
challenges of this new situation. We cannot wait for a series of responses to emerge
in an organic way. We need to confront the reality of our potential future and tackle
the problems directly.

現代の遺伝学は途方もないスピードで進歩しています。ですから私たちは、道徳的な
論議に磨きをかける能力を伸ばしていかなければなれません。そうすれば時代の新たな
状況が突きつけてくる課題に取り組むことができるようになるでしょう。生物に
何らかの影響が出てくるのを待っているわけにはいきません。将来を見通して、
その可能的な現実に向き合って、問題に直接立ち向かう必要があるのです。

 

Given that the stakes for the world are so high, the decisions about the course of
research, what to do with our knowledge, and what technological possibilities should be
developed cannot be left in the hands of scientists, business interests, or government
officials. Clearly, as a society we need to draw some lines.

世界に対する科学の影響はあまりにも大きいものです。ですから研究の方向性の
判断や、得られた知識で何をどうするか、どのような技術的な可能性が追究される
べきかといった問題は、科学者、企業の利害関係者、そして政府関係者の手にゆだねて
ことはできません。明らかに、私たちが社会全体として、線引きをしなければならない
のです。

 

But these deliberations cannot come solely from small committees, no matter how
august or expert they may be. We need a much higher level of public involvement,
especially in the form of debate and discussion, whether through the media, public
consultation, or the action of grassroots pressure groups.

上のような問題を検討するには、少人数の委員会のようなものだけに頼っていては
なりません。メンバーにどれほど威厳と専門性があったとしてもです。一般市民が
もっと深く関与することが必要です。メディアを通じてでも、公開協議でも、草の根の
圧力団体の活動を通じてでもかまいませんが、一般の人びとが特に論争や議論の形で
もっと関わるべきなのです。

 

The Universe in a Single Atom: The Convergence of Science and Spirituality

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ダライ・ラマ科学への旅 (サンガ新書)

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