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「ダライ・ラマ 実践の書」その9。仏教の智慧「空(emptiness)」を、どう考えるか?

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仏教を学ぶ人が必ず出会い、そしてある意味、つまずいてしまうのが、般若心経の
「色即是空」で有名な「空(emptiness)」の考え方かもしれません。私自身も、理解不足
なのですが、短く言えば、「あらゆる事象はそれ自体の力では存在していない。
すなわち『空』である」ということなのです。これは、通常の私たちの感覚とは正反対
の教えに思えるので、何かモヤモヤとした感覚を引き起こします。ですが、ダライ・
ラマの解説を聞くと、少しはそのモヤモヤが消えるかもしれません。バイリンガル
ご紹介します。

 

Buddha said many times that because all phenomena are dependently arisen, they are
relative――their existence depends on other causes and conditions and depends on
their own parts.

仏陀は、あらゆる事象は他に依って生起する、すべては相依相対的である、と繰り返し
説かれています。いかなるものも他の原因と条件(=因縁)によって起こり、なおかつ
それぞれを構成する多くの部分に依存しているのです。

 

A wooden table, for instance, does not exist independently; rather, it depends on a great
many causes such as a tree, the carpenter who makes it, and so forth; it also depends
upon its own parts.

木製の机を例にとってみましょう。この机は他に依らずして存在し得ません。
それどころか、材料の樹木、製作した大工、等々、途方もなくたくさんの原因に依って
います。のみならず、これを構成する部分にも依っています。

 

If a wooden table or any phenomenon really were not dependent――if it were
established in its own right――then when you analyze it, its existence in its own right
should become more obvious, but it does not.

木製の机であれ何であれ、あらゆる事象が、もし他にまったく依存していないとする
ならば、つまり、それ自体の力で構築されているとするならば、そのことを綿密に分析
してみなければなりません。その結果として、諸事象はそれ自体の力で存在している、
ということが明白になるでしょう。しかし、全然そういうことにはなりません。

 

This Buddhist reasoning is supported by science. Physicists today keep discovering finer
and finer components of matter, yet they still cannot understand its ultimate nature.
Understanding emptiness is even deeper.

この仏教の理論は科学によっても確認されています。現代の物理学は、物質の構成要素
を極小のレベルまで追究し続けていますが、それでも究極の素因を突き止めるに至って
いません。空性を理解することは、それにもまして、はるかに深遠なことなのです。

 

ここで、ダライ・ラマは、「空」すなわち、あらゆる事象は自性として(それ自体の力
で)存在していない、という教えに対する、最悪の誤解を紹介しています。

 

If objects do not inherently exist, does this mean that they cannot function? Jumping to
the conclusion that because the true nature of objects is emptiness, they are therefore
incapable of performing functions such as causing pleasure or pain, or helping or
harming, is the worst sort of misunderstanding, a nihilistic view.

もし対象が自性として存在していないならば、その対象はいかなる作用もなしえないと
いうことを意味するのでしょうか。対象の真の本性が空だから、それゆえ、それは
たとえば苦楽の原因にはならないとか、何の助けにもならず害にもならないという
ように、いかなる作用もなしえない、と早合点してしまうことは最悪の誤解であり、
虚無主義的な見方にほかなりません。

 

For the time being, the subtle view of the emptiness of inherent existence might be too
difficult for you to understand without falling into the trap of nihilism, where you are
unable to understand that phenomena arise in dependence on causes and conditions
(dependent-arising). For the sake of your spiritual progress it would be better for now
to set aside trying to penetrate emptiness.

さしあたって、あらゆる存在は自性として空であるという微細なレベルの見解を、
虚無主義の罠に陥ることなく理解することは、あまりに難しすぎると考える人がいると
しましょう。諸事象は原因と条件に依って生起するということ(=縁起)の理解が
おぼつかないわけです。そういう人は、健全な精神の発達のために、しばらく空性を
理解するということを無理に考えないほうがよいかもしれません。

 

How To Practise: The Way to a Meaningful Life

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ダライ・ラマ実践の書

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