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「チェスタトン:正統とは何か」。その5。仏教とキリスト教ほど、明らかに矛盾する宗教は他にない? “Chesterton: Orthodoxy” No.5――Are there no two institutions which contradict each other so flatly as Buddhism and Christianity?

 

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深い考察の末、キリスト教徒となることを選んだチェスタトンによる、仏教と
キリスト教の「ラディカルな」比較。これら二つの世界宗教に興味がある人は、
必読です――解説を、バイリンカルで、どうぞ。

Here we have a “radical” comparison between Buddhism and Christianity according to
G・K・Chesterton who chose to become a Christian after deep contemplation.
A must-read if you are interested in these two world religions――more to come both in
English and in Japanese.

 

 

 

That Buddhism approves of mercy or of self-restraint is not to say that it is specially like
Christianity; it is only to say that it is not utterly unlike all human existence.

たとえば仏教が慈悲を重んじ、自己抑制を重んじているからと言って、別にそれで
キリスト教と格別似ているなどということには少しもならぬ。単に人間共通の経験に
まったく反してはいないというにすぎない。

 

 

Buddhists disapprove in theory of cruelty or excess because all sane human beings
disapprove in theory of cruelty or excess. But to say that Buddhism and Christianity give
the same philosophy of these things is simply false.

仏教徒が主義として残忍や過激を嫌うというのも、正気の人間なら誰しも主義として
残忍や過激を嫌うからにほかならぬ。けれども、だからといって、仏教もキリスト教
も、こういう点について同じ哲理を説いているというのは大まちがいだ。

 

 

All humanity does agree that we are in a net of sin. Most of humanity agrees that there is
some way out. But as to what is the way out, I do not think that there are two institutions
in the universe which contradict each other so flatly as Buddhism and Christianity.

なるほど人類はみな、われわれが罪の網の目に捕らえられていると認める点では共通で
あるし、また人類はほとんどみな、この網の目から脱出する道がどこかにあると認める
点でも共通である。しかしその脱出の道がいかなるものであるかという点になると、
この世に仏教とキリスト教ほど明らさまに矛盾する宗教はまたとないと私は思う。

 

 

No two ideals could be more opposite than a Christian saint in a Gothic cathedral and
a Buddhist saint in a Chinese temple. The opposition exists at every point; but perhaps
the shortest statement of it is that the Buddhist saint always has his eyes shut, while the
Christian saint always has them very wide open.

二つの理念がどれほど対照的であると言って、ゴチックのカテドラルのキリスト教
聖人と、中国の寺院の仏教の聖者の像ほどかけ距ったものはありえまい。実にあらゆる
点で対蹠的なのだ。だがその相違を最も端的に要約するとすれば、仏教の聖者が
いつでも目を半眼に閉じているのにたいして、キリスト教の聖人がいつでも目をかっと
見開いているという点を挙げねばなるまい。

 

 

The Buddhist saint has a sleek and harmonious body, but his eyes are heavy and sealed
with sleep. The mediaeval saint’s body is wasted to its crazy bones, but his eyes are
frightfully alive. There cannot be any real community of spirit between forces that
produced symbols so different as that.

仏教の聖者はなだらかに調和のとれた体つきをしているが、しかし目は眠りに
閉ざされて重たげである。中世の聖人の体は骨も露わなほどに異様に痩せこけている
が、目だけは驚くばかり生気にあふれている。これほど対照的な表象を創り出した
二つの精神の間に、何らかの共通性が本当に存在しているとはとてものことに
信じられない。

 

 

Granted that both images are extravagances, are perversions of the pure creed, it must
be a real divergence which could produce such opposite extravagances. The Buddhist is
looking with a peculiar intentness inwards. The Christian is staring with a frantic
intentness outwards. If we follow that clue steadily we shall find some interesting things.

どちらもなるほど誇張はあろう。純粋な信仰が生み出した超現実のイメージでは
あろう。しかしそれにしても、これほど両極端に反対の誇張を創造しうるものには、
たしかに真の隔絶があるにちがいない。仏教徒は異常な集中力で内部を見つめている。
キリスト教徒は強烈な集中力で外部をにらみつけている。この手がかりをしっかりと
たどって行けば、たしかに何か興味ある発見が得られるはずである。

 

 

By insisting specially on the immanence of God we get introspection, self-isolation,
quietism, social indifference――Tibet. By insisting specially in the transcendence of God
we got wonder, curiosity, moral and political adventure, righteous
indignation――Christendom. Insisting that God is inside man, man is always inside
himself. By insisting that God transcends man, man has transcended himself.

ことさら神の内在論に固執するなら、われわれが手に入れるものは内省であり、孤立で
あり、寂静主義であり、社会的無関心であり、要するにチベット的世界であるだろう。
だが特に神の超越性を力説するならば、われわれが得るのは驚異であり、好奇心で
あり、道徳的、政治的冒険であり、正しき義憤であり、要するにキリスト教世界で
ある。神が人間のうちにあると主張するかぎり、人間はいつまでも人間のうちにある。
だが神は人間を超えると主張することによって、はじめて人間は人間を超えることが
できたのである。

 

 

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