しあわせになる英語 English for Happiness

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「チェスタトン:正統とは何か」。その6。ヨーロッパが戦闘的社会であったのは、キリスト教のせい? “Chesterton: Orthodoxy” No.6――Is it Christianity that has made Europe a fighting society?

 

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ヨーロッパの歴史は、侵略と戦争に特徴づけられています。世界を征服しようと試み、
結局は第一次、第二次世界大戦まで引き起こしてしまった、西洋文明への、キリスト教
の影響を無視することはできない?――解説を、バイリンカルで、どうぞ。

The European history is characterized by invasion and war. Could we ignore the influence
of Christianity to Western civilization, which has tried to conquer the world and
eventually given rise to the World War Ⅰ & Ⅱ? ――more to come both in English and in
Japanese.

 

 

 

To hope for all souls is imperative, and it is quite tenable that their salvation is inevitable.
It is tenable, but it is not specially favourable to activity or progress.

ともかく、すべての魂が救われるように祈るべきことは言うまでもないし、そして事実
すべての魂が必ず救われるということもありうるだろう。それはたしかにありうる
のだが、しかしそう考えることが、人間の活動と進歩に格別好ましいというわけでも
ないこともまた事実だ。

 

 

Our fighting and creative society ought rather to insist on the danger of everybody, on
the fact that every man is hanging by a thread or clinging to a precipice.

西欧の戦闘的にして創造的な社会にあっては、むしろ、誰もかれもみな地獄に堕ちる
かもしれぬという危険のほうを強調しなければならぬ。誰もかれも、今にも切れそうな
綱の先にぶらさがっていること、あるいは今にも崩れそうな断崖にしがみついている
ことを強調すべきなのである。

 

 

To say that all will be well anyhow is a comprehensive remark: but it cannot be called the
blast of a trumpet. Europe ought rather to emphasize possible perdition; and Europe
always has emphasized it.

結局は何もかもよくなるだろうという言い草は、なるほど理解できない言葉ではない
かもしれぬ。しかしそれはトランペットの勇壮な響きとは呼びかねる。ヨーロッパは
むしろ、今にも堕地獄が可能なことを強調すべきなのであり、そしてヨーロッパは
今までいつでもこれを強調してきたのだ。

 

 

Here its highest religion is at one with all its cheapest romances. To the Buddhist or the
eastern fatalist existence is a science or a plan, which must end up in a certain way. But to
a Christian existence is a story, which may end up in any way.

この点では、ヨーロッパの最高の宗教は、ヨーロッパの最低の三文小説と軌を一にして
いる。仏教や東方の運命論では、人間の存在は一つの整然たる論理であり計画で
あって、ある一定の形に終わるはずのものと見なされる。だがキリスト教にあっては、
人生は物語であって、どんな形で終わるか見当もつかぬ代物なのだ。

 

 

In so far as we desire the definite reconstructions and the dangerous revolutions which
have distinguished European civilization, we shall not discourage the thought of possible
ruin; we shall rather encourage it.

ヨーロッパの文明を他の文明から区別するものは、明確で具体的な改造であり、危険な
革命であるが、こうした改造や革命を望む以上、時によっては破滅するかもしれぬ
という危惧もまた揉み消すことはできない。

 

 

If we want, like the Eastern saints, merely to contemplate how right things are, of course
we shall only say that they must go right. But if we particularly want to make them go
right, we must insist that they may go wrong.

もしわれわれが、東洋の聖者のように、宇宙の万物がいかに調和しているかを瞑想
したいだけならば、もちろん出てくる結論は、宇宙万物はいかにも調和を保っていくに
ちがいないという結論に決まっている。しかしもしわれわれが、宇宙の万物を調和
させようと望むのならば、宇宙の万物は今にも調和を破って崩壊するかもしれぬことを
強調しなければならぬのである。

 

 

Lastly, this truth is yet again true in the case of the common modern attempts to
diminish or to explain away the divinity of Christ. The thing may be true or not; that I
shall deal with before I end. But if the divinity is true it is certainly terribly revolutionary.

最後の問題に移ろう。現代では、キリストの神性をできるだけ小さく見つもろうと
したり、人間的あるいは「科学的」に説明しようとしたりする試みがよく見られるが、
この場合にも、今まで述べてきた事実はやはり事実として当てはまる。こういう説明が
正しいかどうか、それは後で論ずることにする。だが、もしキリストの神性が事実で
あるとすれば、この神性が恐ろしく革命的であることもまた事実である。

 

 

That a good man may have his back to the wall is no more than we knew already, but
that God could have His back to the wall is a boast for all insurgents for ever.

正しい人間が窮地に陥ることもあるということなら、われわれにもことさら珍しいこと
ではない。けれども神が窮地に陥ることがありうるなどということは、どんな反逆者が
主張するにしても恐るべき傲慢の言と言うべきだろう。

 

 

Christianity is the only religion on earth that has felt that omnipotence made God
incomplete. Christianity alone has felt that God, to be wholly God, must have been
a rebel as well as a king.

神が単に全能であるだけでは完全ではないと感じた宗教は、地上の宗教多しといえども
キリスト教をおいてほかにはない。神は、完全に神であるためには、王であるばかりで
なく反逆者でなければならぬと感じた宗教は、地上のあらゆる宗教のうちキリスト教
以外には一つとして見当たらぬ。

 

 

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