五木寛之の「神の発見」に曰く、かつて日本では『和魂洋才』が叫ばれたが、洋才には
『洋魂』とでも呼ぶべき精神のありようがあって、それはキリスト教文化である。明治
以来、私たち日本人は『和魂洋才』の名のもとに無理やり近代化をおしすすめてきた
が、敗戦によって和魂が否定されると、こんどは「無魂洋才」になってしまった、
と言うのです。『洋魂』=『キリスト教文化』が、いかにして西洋人の心の支え
となり、これまでのその旺盛な活動のエネルギー源となりえたか、その真髄に迫る――
バイリンガルで、どうぞ。
Hiroyuki Itsuki says in his book “Discovery of God” that once in Japan “Japanese soul with
Western learning” was advocated, however, Western learning should get along with the
state of spirit which should be called “Western spirit,” that is Christian culture. Since the
Meiji Restoration we Japanese has been forced to become modernized in the name of
“Japanese spirit with Western learning.” But our defeat in the World War Ⅱ made
“Japanese spirit” denied and then we are bound to go with “No spirit with Western
learning,” according to Itsuki. We now get closer to the essence of “Western spirit:
Christian culture” which has supported Westerner’s mind and how it has been able to
become the source of energy for their vigorous activities so far. ――more to come both
in English and in Japanese.
Christianity is a superhuman paradox whereby two opposite passions may blaze beside
each other.
キリスト教とは、一個の超人間的なパラドックスであって、これによって二つの相対立
する熱情が、お互いに相並んで燃えさかることのできるものなのだ。
The highest gratitude and respect are due to the great human civilization such as the old
Egyptian or the existing Chinese. Nevertheless it is no injustice for them to say that only
Europe has exhibited incessantly a power of self-renewal recurring often at the shortest
intervals and descending the smallest facts of building or costume.
古代エジプト文明とか、今日も命脈を保つ中国文明など、人類の偉大な文明には、最大
の感謝と敬意を払わなければならぬ。が、それにもかかわらず、こうした文明に
けっして真似のできない特色がヨーロッパにはあるのだ。一日一日と繰り返される
自己再生の力、建築や衣服の末に到るまで、一つ一つの事物に行き渡っている自己再生
の力を示しているのは、ヨーロッパの文明以外に一つとしてないと言っても、エジプト
や中国の文明に対して不当であるとは言えないだろう。
All other societies die finally and with dignity. We die daily. We are always being born
again with almost indecent obstetrics. It is hardly an exaggeration to say that there is in
historic Christendom a sort of unnatural life: it could be explained as a supernatural life. It
could be explained as an awful galvanic life working in what would have been a corpse.
すべて他の文明は、最後には威厳に満ちて死滅した。が、われわれは日ごとに死ぬ。
われわれは常に、ほとんど猥雑なほどの産褥のうちに生まれつづける。西欧キリスト教
の協同体の歴史には、一種不自然な生命力があると言っても誇張ではあるまい。それは
超自然の生命力だと説明しても差支えあるまいと思う。とうの昔に死体になっている
べきはずのものの中に、たえず働きつづけている恐るべき電流と言うこともできよう。
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