しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

東洋で、西洋で。自分のルーツ「仏壇」を見直す。「生けるブッダ、生けるキリスト」その9

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洋の東西を問わず、多くの若者が自分のルーツを見失い、自分の両親や祖父母たちの
伝統を評価し、受け継ぐことができなくなっている、今。マインドフルネスの伝道師
ティク・ナット・ハンは、われわれ日本人の暮らしに、まだ残っている「仏壇」の
素晴らしい効用に眼を向けます。彼の言葉に耳を傾けてみましょう。

 

In East Asia, every home has a family altar. Whenever there is an important event
in the family, such as the birth of a child, we offer incense and announce the news
to our ancestors. If our son is about to go to college, we make an offering and
announce that tomorrow our son will leave for college. When we return home
after a long trip, the first thing we do is offer incense to our ancestors and announce
that we are home. When we practice this way, we always feel deeply rooted in the family.
東アジアには、たいていどの家にも仏壇があります。家族に子どもの誕生のような
おめでたいことがあると、仏壇に香を焚いて、このニュースをご先祖に報告します。
息子が大学に進学する日には、仏壇にお供えをして「あの子が大学に行くんですよ」
と語りかけます。また、長旅から帰ったら、まず香を焚き、無事の帰宅を感謝します。
このような習慣は、いつも家族との繋がりや深い根を感じさせます。

 

I encourage my students of Western origin to do the same. When we respect our blood
ancestors and our spiritual ancestors, we feel rooted. If we can find ways to cherish and
develop our spiritual heritage, we will avoid the kind of alienation that is destroying
society, and we will become whole again.

私は西洋の若者たちにも、このような練習を奨励しています。人は先祖との血の
繋がりや霊的先祖を大切にするとき、自分が孤立した孤独な存在ではなく、しっかり
と根づいていると感じることができます。それぞれの霊的遺産を大切に育て、伝えて
ゆく方法がわかったら、私たちは孤立、疎外という社会を破壊する力から脱して、
もう一度、全体性をとり戻すことができるでしょう。

 

We must encourage others, especially young people, to go back to their tradition
and rediscover the jewels that are there. Learning to touch deeply the jewels of
our own tradition will allow us to understand and appreciate the values of other
traditions, and this will benefit everyone.

そのためには、とりわけ若者たちに働きかけ、励まして、それぞれの伝統に戻り、
そこにある宝を再発見してもらわなければなりません。自分の伝統の宝に深く触れる
ことを学んだら、私たちは他の伝統の価値を理解し、そのよさを評価することが
できるのです。そして、このような考えかたは、みんなによい影響を与えてゆく
はずです。

 

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生けるブッダ、生けるキリスト

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「敵を愛する」たったひとつの方法とは?「生けるブッダ、生けるキリスト」その8

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「あなたの敵を愛しなさい」は、最も良く知られたイエスの言葉のひとつですが、
禅僧ティク・ナット・ハンは、仏教徒の立場から、この言葉の実践に関して、深い
見解を述べています。

 

Even if our enemy is cruel, even if he is crushing us, sowing terror and injustice,
we have to love him. This is the message of Jesus. But how can we love our enemy?
There is only one way-to understand him. We have to understand why he is that way,
how he has come to be like that, why he does not see things the way we do.

たとえ敵が残酷な仕打ちをしたり、私たちを虐げたり、恐怖や不正の種を蒔いた
としても、敵を愛さなければならない。これはイエスのメッセージです。しかし、
いったいどうしたら敵を愛することができるのでしょうか。たったひとつ方法が
あります。それは敵を理解するという方法です。私たちはなぜ彼がそうなのか、
どうしてそのようになったのか、なぜ私たちのような物事の見方ができないのかを、
その人の立場に立って理解しなければなりません。

 

Understanding a person brings us the power to love and accept him. And the moment
we love and accept him, he ceases to be our enemy. To “love our enemy” is impossible,
because the moment we love him, he is no longer our enemy.

人を理解することは、愛と受容の力を育てます。相手を受け入れ、慈しむとき、
敵としての他者は姿を消すのです。ですから、「敵を愛すること」は、事実上
ありえないことになります。愛の心で見つめたその瞬間に、相手はもう敵では
なくなるからです。

 

To love him, we must practice deep looking in order to understand him. If we do,
we accept him, we love him, and we also accept and love ourselves. As Buddhists
or Christians, we cannot question that understanding is the most important component
for transformation. If we talk to each other, if we organize a dialogue, it is because
we believe there is a possibility that we can understand the other person better.
When we understand another person, we understand ourselves better. And when
we understand ourselves better, we understand the other person better, too.

人を愛するためには、理解を深める練習をしなければなりません。理解が深まれば、
相手ばかりか、自分自身を受け入れ、慈しむことができるのです。仏教徒
キリスト教徒にとって、自他の理解が最も大切な自己変容の要素であることに
疑いの余地はありません。私たちが話しあいや対話の場を持つのは、それによって、
いまよりももっと深くおたがい同士が理解しあえると信じているからです。他者の
理解は自己認識を深め、その深さは他者のよりよい理解へとつながってゆくのです。

 

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戦争の根本的原因をなくすには?「生けるブッダ、生けるキリスト」その7

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ベトナム戦争終結に多大な貢献を果たし、ノーベル平和賞の候補にもなった
禅僧ティク・ナット・ハンは、宗教人としての立場から、世界平和は、たんに
軍縮すればよいというものではない、と警告します。軍縮しても残る、戦争の
根本的原因をなくすにはどうしたら良いか?彼の言葉に耳を傾けてみましょう。

 

We often think of peace as the absence of war, that if the powerful countries
would reduce their weapons arsenals, we could have peace. But if we look deeply
into the weapons, we see our own minds-our prejudices, fears, and ignorance.

平和とは戦争のない状態であり、強国が軍備を縮小したら平和になる、と私たちは考えます。しかし兵器をじっと深く見つめてください。そこに見えるものは、偏見、恐怖、無知といった私たちの思いや観念です。

 

Even if we transport all the bombs to the moon, the roots of war and the roots of
the bombs are still here, in our hearts and minds, and sooner or later we will make
new bombs.

たとえすべての爆弾を月へ運び去ったとしても、戦争の根、爆弾のルーツはこの
地球上に残ります。その根はわたしたちのこの頭と心のなかにあるのですから、
早晩、新しい武器となって姿を現わしてくるはずです。

 

To work for peace is to uproot war from ourselves and from the hearts of men
and women.

平和のために働くということは、私たち自身のなかから、いいかえれば、人類の
心のなかから戦争を根こそぎにすることです。

 

There must be ways to solve our conflicts without killing. We must look at this.
We have to find ways to help people get out of difficult situations, situations of conflict,
without having to kill. Our collective wisdom and experience can be the torch lighting
our path, showing us what to do. Looking. deeply together is the main task of
a community or a church.

殺しあいをせずに諍いを収める方法はあるはずです。これをしっかりと見つめて
ください。人が困難な状況に陥ったり、争いに巻きこまれたときに、殺しあいを
させずに、助けだす方策を見つけなければならないのです。そうすれば、私たちの
集合的な知恵と経験が、道を照らす松明となって、なすべきことを教えてくれる
はずです。みんなで一緒に深く見つめることこそ、コミュニティや教会の主要な
仕事なのです。

 

When you look deeply into your anger, you will see that the person you call
your enemy is also suffering. As soon as you see that, the capacity of accepting
and having compassion for him is there. Jesus called this “loving your enemy.”
When you are able to love your enemy, he or she is no longer your enemy.
The idea of “enemy” vanishes and is replaced by the notion of someone who is
suffering and needs your compassion.

怒りを深く見つめてみたら、あなたが敵と呼んでいる人もまた苦しんでいることに
気づくでしょう。それに気づいたそのときにこそ、他者を受容する力と慈愛の心が
生まれ出ているのです。イエスはこれを「敵を愛す」と表現されたのです。敵を
愛することができるとき、その人はもうあなたの敵ではありません。「敵」という
考えは霧散し、「苦しみ、慈愛を求める人」へと変容するのです。

 

Living Buddha, Living Christ: 20th Anniversary Edition

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世界平和へ。大乗仏教とキリスト教の類似点とは?「生けるブッダ、生けるキリスト」その6

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仏教は主に、歴史的人物として、この世に生まれてきた「お釈迦様(釈尊)」
その人の実践的教えに力点を置く「小乗仏教」と、ブッダは私たちの心の中に
いまだに生きて教えを説き続けているという思想を基盤にする「大乗仏教」に
分けられます。お釈迦様がこの世を去る、いわゆる釈尊入滅の時に、嘆き悲しむ
弟子たちに次のような言葉を残したと言います。

 

“My physical body will no longer be here, but my teaching body, Dharmakaya, will
always be with you. Take refuge in the Dharma, the teaching, to make an island
for yourselves.”

「私の肉体はまもなくこの地より消えてゆくが、私の教えの身,ダルマカーヤ(法身
はいつもおまえたちとともにあるであろう。教えのダルマに帰依して、みずからを
ダルマの島とせよ」。

 

禅僧ティク・ナット・ハンによれば、この言葉の指示するところは明らか。つまり、
ダルマ(真理の教え)は私たちの避難すべき島、道を照らす松明であり、釈尊尊い
教えが残るならば、何も恐れることはない、と言うのです。同じような話で、
あるとき、ひどく病んだひとりの修行僧が、生身の釈尊に会うことができないことを
いたく悲しむと、釈尊は彼にこう告げたと言います。

 

“My physical body is not what is most important. If you have the Dharma body with you,
if you have confidence in the Dharma, if you practice the Dharma, I am always with you.”
「最も大切なものは私のこの肉体ではない。もしおまえがダルマの身をみずからの内
に持ちつづけたら、ダルマを堅く信じるならば、私はいつもおまえとともにいる」

 

 

ここでティク・ナット・ハンは、イエス・キリストの以下の言葉を引用します。

 

“Whenever two or three are gathered in my name, I am there.”

「私の名のもとに、二、三人の者が集うとき、私もそこにいる」

 

「私たちの心の中で永遠に生き続けるブッダ」という大乗仏教の考え方は、イエスを、
「永遠に内なるものとして生き続ける」として信仰の対象にするキリスト教の考え方に
似ている、とティク・ナット・ハンは指摘しているのです。もちろん、だからといって
安易に、この二つの宗教は、すぐにわかりあえる、と結論づけることは拙速でしょう。
ただし、ベトナム戦争終結させるため、ふたつの異文化の真の交流に身も心も
捧げた、ひとりのベトナム禅僧の言葉は、これからの世界平和という観点から
考えれば、他とは違う重みを持って響くのではないでしょうか。

 

Living Buddha, Living Christ 20th Anniversary Edition

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いま、ここにある、天国(神の国)とは?「生けるブッダ、生けるキリスト」その5

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いま、ここにあることを大切にするブッダの教えに由来する、マインドフルネス。
その普及に多大な貢献を果たしている禅僧ティク・ナット・ハンによる聖書の解釈は、
キリスト教徒が大半である欧米人の反響を呼び、ベスト・セラーを生みました。
たとえば、福音書の著者のひとりであるマタイによる、神の国をひと粒の辛子種に
たとえ、その種を日々の暮らしという柔らかな土壌に蒔いて、よく育てる方法を知って
いたら、その種はすくすくと伸びて、やがて鳥たちが憩いにくる大木になるという話
から、「その意味は、神の国は私たちの内にあるということだ」と読み解きます。
彼は続けます。

 

We do not have to die to arrive at the gates of Heaven. In fact, we have to be truly alive.
The practice is to touch life deeply so that the Kingdom of God becomes a reality. This is
not a matter of devotion. It is a matter of practice. The Kingdom of God is available
here and now.

天国の門に入るのに死ぬ必要はありません。それどころか、真に生きることこそ
必要なのです。いまここで深く生きる練習をすれば、神の国は現実のものとなります。
神への信仰があれば、天国に生まれ変わることができるということではなく、
いまここを深く生きる実践が大切なのです。神の国はいま、ここで可能なのです。

 

Many passages in the Gospels support this view. We read in the Lord’s Prayer that
we do not go to the Kingdom of God, but the Kingdom of God comes to us;
“Thy Kingdom come…” Jesus said, “I am the door.” He describes Himself as
the door of salvation and everlasting life, the door to the Kingdom of God.
Because God the Son is made of the energy of the Holy Spirit, He is the door for us
to enter the Kingdom of God.

福音書のなかの多くの記述はこの考えを支持しています。主の祈りのなかにも、
神の国へこちらから行くのではなく、神の国が私たちのもとに来ると述べられて
います。「御国を来らせたまえ」と。そして、また「私がその入り口である」と
言われました。イエスは自分が救済へと開く扉であり、永遠のいのちへの入り口だと
述べているのです。子なる神はホーリー・スピリットというエネルギーでできて
いるので、私たちを神の国へと導くことができるのです。

 

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本物の愛とは、その人のそばにいてあげること。「生けるブッダ、生けるキリスト」その4

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前々回のブログで紹介したように、マインドフルネスと聖霊(the Holy Spirit)が
同じものであるという時、禅僧ティク・ナット・ハンは、「本物の愛」についても
興味深い教えを語っています。それは、高い贈り物をしたり、特別な自己犠牲が
なくても、とてもシンプルな行為で証明されると言うのです。

 

The most precious gift we can offer others is our presence. When our
mindfulness embraces those we love, they will bloom like flowers.

私たちが人にしてあげられる最も貴重な贈りものは、その人のそばにいてあげる
ことです。あなたの気づきの心が大切な人たちをしっかりと抱きしめていたら、
彼らはそこで花のように咲きだすことができるのです。

 

If you love someone but rarely make yourself available to him or her, that is not
true love. When your beloved is suffering, you need to recognize her suffering,
anxiety, and worries, and just by doing that, you already offer some relief.
Mindfulness relieves suffering because it is filled with understanding and
compassion.

あなたが誰かを愛しているとき、その人の手の届くところにいてあげることが
できなければ、あなたのその人への愛は本物とはいえません。愛する人が苦しんで
いるとき、あなたはまずその苦しみ、不安や心配などをしっかりと受けとめて、
理解してあげなければなりません。受けとめてあげるだけで、もうすでに相手を
安心させているのです。気づきの心が人の苦しみを軽くすることができるのは、
そこにはあなたの心いっぱいの理解と慈愛が息づいているからです。

 

When you are really there, showing your loving-kindness and understanding,
the energy of the Holy Spirit is in you. That is why I told the priest in Florence
that mindfulness is very much like the Holy Spirit.

あなたが本当にそこにいたら、相手を優しさと理解する心がまぎれもなくそこに
あれば、ホーリー・スピリットの力があなたのなかに生まれているといえるのです。
私がフローレンスの司祭に、マインドフルネスとホーリー・スピリット(聖霊)は
とてもよく似ていると言ったのは、こういうわけです。

 

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今すぐできるマインドフルネス。自分の息に触れる練習。「生けるブッダ、生けるキリスト」その3

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マインドフルネスを欧米に普及させた禅僧ティク・ナット・ハンが、見習い僧
のときに最初にした練習。それは、意識的に息を吸い、意識的に息を吐くと
いうものだった、と言います。入息(in-breath)は入息として、出息(out-breath)
は出息として心をこめて、ていねいにひと息ずつ確認しながら、「自分の息に触れる」
感覚をつかむ練習を行なったそうです。この意識的呼吸法は、仏教において、心の
平和を獲得するために最も基本的で大切な修行。「生けるブッダ、生けるキリスト」
では、以下のような短い詩を用いながら行なう練習を紹介しています。

 

Breathing in, I calm my body.

Breathing out, I smile.

Dwelling in the present moment,

I know this is a wonderful moment.

息を吸って 私はしずか

息を吐いて 私は微笑む

このいまに生きることこそが

私には すばらしい一瞬(ひととき)

 

ここで大切なことは、余念をいっさい挟まず、「いま・ここ」に集中すること。
そうすれば、自分がいまどこにいるかがはっきりとわかるはずだと言います。
いまの自分の生活を本当に生きる方法があるとすれば、それは、現在のこのときに
自分を置き、自分がいまここにいるという事実に気づき、現在のこのときをおいて
ほかに生きるときはない、ということにしっかり気づくことが大切だと言うのです。
ティク・ナット・ハンの解説はさらに続きます。

 

We can even shorten the verse to six words. As we breathe in, we say to
ourselves, ”Calming,” and as we breathe out, we say, “Smiling.” As we breathe in
again, we say, “Present moment,” and as we breathe out, “Wonderful moment.”
Practicing this way can help us touch peace right away.

この詩をもっと短く縮めて六つの言葉にして覚えてもよいでしょう。息を吸い
ながら「しずかに」、息を吐きながら「微笑む」と言い、次にもう一度息を吸い
ながら「いまこのときが」、吐きながら「すばらしい一瞬」と言ってみます。

これだけの練習で、私たちはすぐに自分のなかにある平和に触れることができます。

 

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