しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

「エーリッヒ・フロム: 精神分析と宗教」。その10。あなたは、宗教を通して、宇宙との「一体感」を得ることができる? “Erich Fromm: Psychoanalysis and Religion” No.10――Can you get “oneness” with the universe through religion?

 

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宗教とくに仏教は、3つの要素にまとめることができると言います。それは、「慈悲」
「平等」「一体感」。なかでも「一体感」に関して、20世紀を代表する心理学者の
ひとりエーリッヒ・フロムの言葉に耳を傾けてみましょう――バイリンガルで、
どうぞ。

It is said that religions, especially Buddhism, can be reduced to three elements. Those are
“compassion,” “equality,” and “oneness.” Among those, concerning “oneness,” let’s listen
to Erich Fromm, one of the representative psychologists in the 20 th century―― more to
come both in English and in Japanese.

 

 

 

Beyond the attitude of wonder and of concern there is a third element in religious
experience, the one which is most clearly exhibited and described by the mystics. It is
an attitude of oneness not only in oneself, not only with one’s fellow men, but with all life
and, beyond that, with the universe.

驚異と関心の態度以上に、宗教的体験には第三の要素がある。それは神秘主義者に
よってきわめて明確に示され、記述されている。それはたんなる自己の内部だけでも、
人間同士とだけでもなく、あらゆる生命と、またそれを超えて全宇宙と一体になる
という態度である。

 

 

Some may think that this attitude is one in which the uniqueness and individuality of the
self are denied and the experience of self weakened. That this is not so constitutes the
paradoxical nature of this attitude.

ある人々はこの態度によって自己の独自性と個性とが否定され、自我の体験が
弱められると考えるかもしれない。それが当たっていないところにこの態度の
パラドックス的性格がある。

 

 

It comprises both the sharp and even painful awareness of one’s self as a separate and
unique entity and the longing to break through the confines of this individual
organization and to be one with the All. The religious attitude in this sense is
simultaneously the fullest experience of individuality and of its opposite; it is not so much
a blending of the two as a polarity from whose tension religious experience springs. It is
an attitude of pride and integrity and at the same time of a humility which stems from
experiencing oneself as but a thread in the texture of the universe.

それは鋭く、苦痛でさえあるような、孤立した独自の実体としてり自我の意識と、この
個人的組織の限界を突破して「まったきもの」と一体であろうとする憧憬との二つを
含んでいる。この意味での宗教的態度は同時に、個と、それに対立するものとに
ついてのもっとも完全な体験である。それは二つのものの混合というよりは一つの
両極性 (polarity) であって、その緊張によって宗教的体験が生起してくるのである。
それは誇りと完全さの態度であると同時に、自己自身が宇宙という織物の中の一本の糸
でしかない、という体験から生ずる謙虚な態度でもある。

 

  

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