「気づきの奇跡 暮らしのなかの瞑想入門(The Miracle of Mindfulness)」より
「呼吸をマスターするとは体と心をよく制御することです。」
今、アメリカ、そして日本のビジネスマンたちが大注目している、「マインドフル
ネス(気づき)」を上手く獲得できるかどうかは、「呼吸をマスターする」ことに
かかっている。その理由を、本家本元の伝道師ティク・ナット・ハンは、こう
説いています。
Breath is aligned to both body and mind and it alone is the tool which can bring
them both together, illuminating both and bringing both peace and calm.
呼吸は体と心の両方に関わっているので、呼吸だけが体と心をひとつにし、
それらを明るく照らし(気づき)、平和と静けさをもたらすのです。
ちょっとウンチクになってしまうのですが、そもそも、なぜ「マインドフルネス」
は「気づき」と訳され、ストレスフルな現代社会の救世主的な存在になっている
のか。それは、「過去や未来にとらわれず、いまこの時のリアリティ(現実の姿)を
ありありと意識する」という意味で、「マインドフルネス」は「気づきでいっぱい
→気づき」であり、現在を置いてきぼりにして、過去や未来に「気が散っている」
現代人が、バラバラになった自分の意識をひとつに取り戻すために有効な「ツール」
なのです。ここでひとつお知らせ。今回取り上げた原書は、瞑想のやり方に関する
詳しい記述を含んでおり、ティク・ナット・ハンの他の書籍と比べると、英語は
かなり難しい、と思われます。チャレンジしたい方は、日本語訳と合わせて学ばれる
と良いのではないでしょうか。私の場合、先に日本語を読み、興味のあるフレーズが
原書ではどうなっているかを拾い読みしていく、という学習法をとりました。要は、
この興味深い内容が、頭に入るかどうかだと割り切ったわけです。もちろん、英語の
読解力に自信のある方は、いきなり原書に取り組まれてもいいと思います。音声で
学びたい方のために、CDも出てますよ。