しあわせになる英語 English for Happiness

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「ダライ・ラマ 宗教を越えて」その2。「宗教嫌い」に関する、ダライ・ラマの意見。

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十九世紀から二十世紀にかけて、「宗教は阿片である」というマルクス主義者からの
非難を筆頭に、宗教は人類の進歩にとって障害物であるという考え方が、広く浸透
しました。主に西洋の思想による教育を受けてきた私たち日本人も例外では
ありません。いわゆる「宗教嫌い」「宗教アレルギー」の人々は多数存在します。仏教
の指導者ダライ・ラマは、こうした傾向に対して、どういう意見を持っているのか?
バイリンガルでご紹介します。

 

While I cannot accept the suggestion that religion is an obstacle to human development,
I do feel that, in the context of history, anti-religious sentiments may be understandable.
History teaches the uncomfortable truth that religious institutions and adherents of every
denomination have been involved in exploitation of others at some stage or another.
Religion has also been used as a pretext for conflict and oppression. Even Buddhism,
with its doctrine of nonviolence, cannot escape this charge entirely.

私は宗教が人類の進歩を妨げるものであるという意見には賛成できませんが、歴史的
文脈に身をおくと、反宗教的感情をもつ人がいるのも理解できます。歴史を
ふりかえってみると、さまざまな宗教制度や宗教の信者がいろいろな場面で人々を搾取
してきたというありがたくない事実が見えてきます。また宗教は闘争と抑圧の口実に
用いられてきました。非暴力の教義を掲げる仏教でさえ、その罪を犯さずには
すみませんでした。

 

So when negative attitudes toward religion, in the West or elsewhere, are motivated by
a concern for justice, they must be respected. In fact, one could argue that those who
point out the hypocrisy of religious people who violate the ethical principles they
proclaim, and who stand up against injustices perpetrated by religious figures and
institutions, are actually strengthening and benefiting the traditions themselves.

正義感ゆえに西洋やその他の地域で宗教への嫌悪感が生まれたなら、それは尊重される
べきでしょう。自ら唱える道徳的戒律を裏でこっそりと破る宗教者の偽善を指摘する
のも、宗教者や宗教制度によってつくりだされた不平等を是正するために声をあげる
のも、結局のところ宗教そのものに恩恵をもたらし、宗教を高めているといえます。

 

However, when assessing such criticisms, it is important to distinguish between
criticisms directed at religion itself and those directed at the institutions of religion,
which are two quite separate things.

とはいえ、そのような批判の是非をはかるには、その批判が宗教そのものに向けられた
ものなのか、それとも宗教制度に向けられたものなのかを明確に区別しておくことが
肝心です。なぜならこの二つはまったく別物だからです。

 

To my mind, notions of social justice are in no way contrary to the principles espoused
by religion itself, because close to the heart of all the great faith traditions is the aim of
promoting humanity’s most positive qualities and nurturing such values as kindness,
compassion, forgiveness, patience, and personal integrity.

私自身は宗教の唱える根本原則と社会正義の概念は対立しないと思っています。
というのも、すべての大宗教の核には、思いやりの心や慈愛、赦し、忍耐、高潔さと
いった人類の最もすばらしい徳性を培い、育むという目的があり、その点ではこの二つ
はきわめて近いからです。

 

Beyond Religion: Ethics for a Whole World (English Edition)

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ダライ・ラマ宗教を超えて

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