愛とは「与えること」であり、「もらうこと」ではない。そして「与えること」は
「もらうこと」よりも喜ばしい。その理由は?「自由からの逃走」など数々の名著で
知られる心理学者エーリッヒ・フロムの解説に耳を傾けてみましょう――バイリンガル
で、どうぞ。
Love is “giving,” not receiving. And “giving” is more joyous than “receiving.” Why? Let’s
listen to the commentaries of Erich Fromm who is a psychologist well-known for his
masterpieces such as “Escape from Freedom.”――more to come both in English and in
Japanese.
Love is an activity, not a passive affect; it is a “standing in,” not a “falling for.” In the most
general way, the active character of love can be described by stating that love is primarily
giving, not receiving.
愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに「落ちる」ものでは
なく、「みずから踏みこむ」ものである。愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で
表現すれば、愛は何よりも与えることであり、もらうことではない、と言うことが
できよう。
What is giving? Simple as the answer to this question seems to be, it is actually full of
ambiguities and complexities. The most widespread misunderstanding is that which
assumes that giving is “giving up” something, being deprived of, sacrificing. The person
whose character has not developed beyond the stage of the receptive, exploitative, or
hoarding orientation, experiences the act of giving in this way.
与えるとはどういうことか? この疑問にたいする答えは単純そうに思われるが、じつは
とても曖昧で複雑である。いちばん広く浸透している誤解は、与えるとは、何かを
「あきらめる」こと、剥 (は) ぎとられること、犠牲にすること、という思いこみ
である。性格が、受けとり、利用し、貯めこむといった段階から抜け出していない人
は、与えるという行為をそんなふうに受け止めている。
For the productive character, giving has an entirely different meaning. Giving is the
highest expression of potency. In the very act of giving, I experience my strength, my
wealth, my power.
生産的な性格の人にとっては、与えることはまったくちがった意味をもつ。彼らに
とって、与えることは、自分のもてる力のもっとも高度な表現である。与えるという
まさにその行為を通じて、私は自分のもてる力と豊かさを実感する。
This experience of heightened vitality and potency fills me with joy. I experience myself
as overflowing, spending, alive, hence as joyous. Giving is more joyous than receiving,
not because it is a deprivation, but because in the act of giving lies the expression of my
aliveness.
この生命力と能力の高まりに、私は喜びをおぼえる。私は自分が生命力にあふれ、
惜しみなく消費し、いきいきとしているのを実感し、それゆえに喜びをおぼえる。
与えることはもらうよりも喜ばしい。それは剥ぎとられるからではなく、与えるという
行為が自分の生命力の表現だからである。
In the sphere of material things giving means being rich. Not he who has much is rich,
but he who gives much. The hoarder who is anxiously worried about losing something is,
psychologically speaking, the poor, impoverished man, regardless of how much he has.
Whoever is capable of giving of himself is rich.
物質の世界では、与えるということはその人が裕福だということである。たくさん
もっている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ。ひたすら
貯めこみ、何かひとつでも失うことを恐れている人は、どんなにたくさんの物を所有
していようと、心理学的にいえば、貧しい人である。気前よく与えることのできる人
が、豊かな人なのだ。
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