しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

「エーリッヒ・フロム: 愛するということ」。その14。「愛すること」は「信じること」そして、信じることは「勇気をもつこと」。“Erich Fromm: The Art of Loving” No.14――”To love” is “to have faith.” And to have faith is “to have courage.”

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前回では「愛するという技術」を磨き上げるためには、「信じること」が必要とのこと
でしたが、今回は、「信じること」をさらに掘り下げた内容をお送りします。――
バイリンガルで、どうぞ。

In the previous weblog, we have learned that “to have faith” is necessary for honing “the
art of loving.” This time, we will dig deeper into “having faith.” ――more to come both in
English and in Japanese.

 

 

 

To have faith requires courage, the ability to take a risk, the readiness even to accept pain
and disappointment.

さらに、信念をもつには勇気がいる。勇気とは、あえて危険をおかす能力であり、苦痛
や失望をも受け入れる覚悟である。

 

 

Whoever insists on safety and security as primary conditions of life cannot have faith;
whoever shuts himself off in a system of defense, where distance and possession are his
means of security, makes himself a prisoner.

安全と安定こそが人生の第一条件だという人は、信念をもてない。防御システムを
つくりあげ、そのなかに閉じこもり、他人と距離をおき、自分の所有物にしがみつく
ことで安全をはかろうとする人は、自分で自分を囚人にしてしまうようなものだ。

 

 

To be loved, and to love, need courage, the courage to judge certain values as of
ultimate concern――and to take the jump and stake everything on these values.

愛されるには、そして愛するには、勇気が必要だ。ある価値を、これがいちばん大事な
ものだと判断し、思い切ってジャンプし、その価値にすべてを賭ける勇気である。

 

 

This courage is very different from the courage of which that famous braggart Mussolini
spoke when he used the slogan “to live dangerously.” His kind of courage is the courage
of nihilism. It is rooted in a destructive attitude toward life, in the willingness to throw
away life because one is incapable of loving it.

この勇気は、虚勢を張ることで有名だったムッソリーニが「危険をおかして生きよ」
というスローガンで訴えたような勇気とはまったくちがう。ムッソリーニが言っている
勇気は、ニヒリズムの勇気であり、その根底にあるのは、どうしても人生を愛すること
ができないから、いっそ投げ出してしまおうという、人生にたいする破滅的な態度
である。

 

 

To love means to commit oneself without guarantee, to give oneself completely in the
hope that our love will produce love in the loved person. Love is an act of faith, and
whoever is of little faith is also of little love.

人を愛するということは、なんの保証もないのに行動を起こすことであり、こちらが
愛せばきっと相手の心にも愛が生まれるだろうという希望に全身を委ねることである。
愛とは信念の行為であり、わずかな信念しかもっていない人は、わずかしか愛せない。

 


  

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愛するということ

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